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坐礁
「坐礁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐礁の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「喝采」より 著者:太宰治
ず、誰ひとり知らぬ朝、出帆、さらば、ふるさと、わかれの言葉、いいも終らずたちまち
坐礁《ざしょう》、不吉きわまる門出であった。新調のその船の名は、細胞文芸、井伏鱒....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
れ、のみならず、その他のことも一切が、まるで、プログラムと違った方向に脱線して、
坐礁《ざしょう》したということを、さとらねばならないだろう。 そして、それらの....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
は突然発狂した。何月何日の深夜、この汽船は発狂の極、アイスランド島ヘルナー山頂に
坐礁した。そして目下火災を起し、炎々たる焔に包まれ、記者はあらゆる努力をしたが、....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
恐れられていた。 ところがちょうど三、四カ月ほど前から、はからずも当時あやうく
坐礁沈没をまぬがれた一貨物船の乗組員を中心にして、非常に奇妙な噂が流れ始めた。と....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
ているばかりだった。 S・O・Sによれば、遭難の原因は衝突でもなければ、むろん
坐礁、接触なぞでもなかった。ただ無暗と浸水が烈しく、急激な傾斜が続いて、そのまま....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
、よいことのあろう筈《はず》はない、覿面《てきめん》でしたのう、船は霧に包まれて
坐礁しかけたり、あぶなく脱《のが》れて沖に出たらば折から暴風雨に吹き流され――う....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ボートにのって、浜べにつきました。そしてただちに警戒につきました。 沖合には、
坐礁した大戦艦淡路が傾いており、そのまわりには大小いろいろな軍艦がぐるっととりま....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
じてそっと海へ乗り出し、ヒスパニオーラ号の錨索を切って、どこでも流れ着く処へ船を
坐礁させようというのであった。私は、謀叛人どもが、その朝撃退されてからは、錨を揚....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
昇龍丸は無事故国に帰りついたが、帰国の途次、畑中は船員にはかって、 「木曜島で
坐礁して白蝶貝の採取を見学しての帰路に又
坐礁して白蝶貝黒蝶貝の無数にしきつらねた....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
信号機 霧の深い海上を航海する時には、往々海岸や他船の近づいた事を知らずにいて
坐礁や衝突の災を招く事がある。これを防ぐためこの頃行われ始めた方法は、海岸ならば....
「競漕」より 著者:久米正雄
分間の力漕をして、半艇身ほど法科を抜いたという快い事実がなかったら、この午前中の
坐礁事件は永久に厭な記憶となって、競漕の時まで留まったかも知れない。しかしこの例....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
モヤが深かったかというと、翌朝八百トンの貨物船が元村西南方一キロぐらいの岩礁上に
坐礁してチョコンと乗っかっていましたよ。モヤのせいだ。まだ陸には間があると思って....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ロンドンに到着したとき、逮捕の危険に脅かされている。そして彼は「エセックスの浜で
坐礁する」欲望はすこしも持たなかった。彼の良心にも、やはり、ぜんぜん無垢とはいえ....