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坐禅
「坐禅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐禅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
した。年は十八。元は公卿《くげ》の出ですが、子供の時から三要の手元に引取られて、
坐禅《ざぜん》学問を勉強しながら、高貴の客があるときには接待の給仕に出ます。髪《....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
大方ならず、涙《なみだ》を浮《うか》べて道ばたの草を蓐《しとね》にすれど、路上|
坐禅《ざぜん》を学ぶにもあらず、かえって跋提河《ばだいが》の釈迦《しゃか》にちか....
「観画談」より 著者:幸田露伴
噐氏は実に稀有な思がした。この老僧は起きていたのか眠っていたのか、夜中真黒な中に
坐禅ということをしていたのか、坐りながら眠っていたのか、眠りながら坐っていたのか....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
まであった。ところが一時間ばかりした後、その男はすこし動いた。彼は座り直した。片
坐禅《かたざぜん》のように、片足を手でもちあげて、もう一方の脚の上に組んだ。それ....
「天馬」より 著者:金史良
どんなことでも相談し合って来た。だが、今になっては彼はこの僕に向ってお寺へ行って
坐禅をくめと云うのです。彼のそう云う気持は分るけれど、それは芸術家には自殺を意味....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
華の花と、香の匂と明滅する処に、章魚胡坐で構えていて、おどかして言えば、海坊主の
坐禅のごとし。……辻の地蔵尊の涎掛をはぎ合わせたような蒲団が敷いてある。ところを....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
は都会っ子的な上皮の強がりは大分ありますがなかなか憶病でも気弱でもあります。氏が
坐禅の公案が通らなくて師に強く言われて家へ帰って来た時の顔など、いまにも泣き出し....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
した事があって、途中荒れに逢って浜名で橋が半ば流れてしまった。その毀れた橋の上で
坐禅を組んだので、大河内子が止めたそうでした。それから南禅寺に行った時にも、山門....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
いつまで待っても出てこないので中平がリンゴ園から降りてきてのぞいてみると、久作は
坐禅を組んでいた。中平はふきだしたいのをこらえて云った。 「さすがに人間だな。タ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
める。 コクリサマという遊びは世間衆知の遊びだから、御存知ない読者もなかろう。
坐禅をくんだり、直立不動の姿勢で合掌し、両手に力をこめていると、
坐禅をくんだまま....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
わからないのであります。正式に仏教というものと関係があるということを申しますと、
坐禅をしたことがありますが、それは正式の仏教としての修行であります。けれども仏教....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ぬ御身分ですが、罪人となって白い獄衣を着けて居られる上に荒繩で縛られたまま静かに
坐禅して経を読んで居られましたが、やがて経を読みおわり繩目の間から少しく指を挙げ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
造妙と莞爾と頷き、袂に納めて後をも見ず比企が谷の森を過ぎ、大町通って小町を越し、
坐禅川を打渡って――急ぎ候ほどに、雪の下にぞ着きにける。 (談話前にもどる。) ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
繰返された。九日の夜の冴えた空に煌々と照り渡る半月を浴びて慧鶴は相変らず寺の縁で
坐禅をしていた。もう真夜中過ぎであった。富士は一きわ白く抽ん出て現実のものとは思....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
庵室へ行かせました。 若い腰元は庵室を覗いて見ますと、かの僧は室の中央に静かに
坐禅を組んでいました。そこへずかずかと寄って行って彼女はいきなり禅僧にもたれかか....