坐臥[語句情報] »
坐臥
「坐臥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坐臥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
何でも君のように、隅から隅まで自分の心もちを点検してかかると云う事になると、行住
坐臥《ぎょうじゅうざが》さえ容易には出来はしない。だからどうせ世の中は理想通りに....
「一日の労苦」より 著者:太宰治
、死滅か、どちらかである。 言い落した。これは、観念である。心構えである。日常
坐臥は十分、聡明に用心深く為すべきである。 君の聞き上手に乗せられて、うっかり....
「連環記」より 著者:幸田露伴
仏を念じ、行年四十以後、其志|弥々劇しく、口に名号を唱え、心に相好を観じ、行住|
坐臥、暫くも忘れず、造次|顛沛も必ず是に於てす、夫の堂舎|塔廟、弥陀の像有り浄土....
「作家の像」より 著者:太宰治
ている。大事のまえの小事には、戒心の要がある。つまらぬ事で蹉跌してはならぬ。常住
坐臥に不愉快なことがあったとしても、腹をさすって、笑っていなければならぬ。いまに....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
あった。この花やかにしゃちこばった気分がドイツ大学生特にいわゆるコアー学生の常住
坐臥を支配しているように思われるのであった。 大学の玄関の左側にはちょっとした....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
おお、彼はよく理解していた! 常に労苦と災禍に、いや、それよりもいっそう、日常|
坐臥《ざが》の生活につきまとう不公平や、自己の罪のみならず世間の罪にまで苦しめら....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
を示談させるために借り方の男の両手の小指をくくり合せて封印し、貸し方の男には常住
坐臥不断に片手に十露盤を持つべしと命じて迷惑させるのも心理的である。エチオピアで....
「物理学の応用について」より 著者:寺田寅彦
物質を取扱って何事かしようという時にはすぐに物理学的の問題に逢着する。吾人が日常
坐臥の間に行っている事でも細かに観察してみると、面白い物理学応用の実例はいくらで....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
。この部落の誰一人安心できない。東京のスリと同じことだ。彼は剣客と同じぐらい常住
坐臥ユダンしたことはなかったのである。しかし、まさか七ツの子供が彼をおびやかすと....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
強靭にした。彼はあわただしい法戦の間に、昼夜唱題し得る閑暇を得たことを喜び、行住
坐臥に法華経をよみ行ずること、人生の至悦であると帰依者天津ノ城主工藤吉隆に書いて....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
一代で産をきずき、土蔵もちになったのを何よりに思っておりましたそうで、常住土蔵に
坐臥して満足を味っていたのだそうでございます」 「妻子も土蔵の中にいるかえ」 「....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
と努力し、父亡きあと直ちに父の会社の社長におさまっても一ぱし通用できるように常住
坐臥怠るところがないのであった。今は宿屋の客ひきだが未来は高利貸し会社の社長と心....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
手伝わせず素描から設色まで融川一人で腕を揮った。樹木家屋の遠近濃淡漁舟人馬の往来
坐臥、皆狩野の規矩に準り、一点の非の打ち所もない。 「ああ我ながらよく出来た」 ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
われて熱情を湧かし得るものがあるかどうか。 説をなすものはさらにいう。畳の上に
坐臥する日本の風習は彼らのわらいを買うからおもしろくない。百姓の生活は見せないほ....
「取舵」より 著者:泉鏡花
生命を気遣いしなり。されども渠等は未だ風も荒まず、波も暴れざる当座に慰められて、
坐臥行住思い思いに、雲を観るもあり、水を眺むるもあり、遐を望むもありて、その心に....