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「坑内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

坑内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
と苦しい中で、初さんに聞いて見た。実はさっきの音が耳に応《こた》えた時、こりゃ坑内で大破裂が起ったに違ないから、逃げないと生命《いのち》が危ないとまで思い詰め....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
に口を利《き》かない。だから我々も英人に対しては同様にプラウドである。 食後は坑内を見物する事になった。田島君という技師が案内をしてくれた。入口で安全灯を五つ....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
がれるはずがない。石を置いた沢庵《たくあん》のごとく積み重なって、人の眼に触れぬ坑内に横《よこた》わる者に、向《むこう》へ上がれと望むのは、望むものの無理である....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
た事だが――フイと坑夫が恐ろしくなり、鉱山を下りてしまった。爆発のとき、彼は同じ坑内にトロッコを押して働いていた。トロッコに一杯石炭を積んで、他の人の受持場まで....
謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
政府主義者が鉱山のシャフトの排水樋を夜|窃に鋸でゴシゴシ切っておく、水がドンドン坑内に溢れ入って、立坑といわず横坑といわず廃坑といわず知らぬ間に水が廻って、廻り....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
のぼりにのぼった。新しい巨大な器械が据えつけられた。選鉱場にも、製煉所にも。又、坑内にも。そして、銅は高価の絶頂にあった。彼等は、祖父の時代と同様に、黙々として....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
をのんで元気をつけた。 それからいよいよ中へ入っていったのである。 ところが坑内は、意外にもきちんとしていた。もっともここはそうとう深いところでもあるし、地....
」より 著者:寺田寅彦
る。冬服にメリヤスを重ね着した地上からの訪問者には、地下増温率によって規定された坑内深所の温度はあまりに高過ぎた。おまけに所々に蒸気機関があり、そのスチームパイ....
話の種」より 著者:寺田寅彦
る微細な鉄粉がかなりに浮游しているが、これは案外人体を害わないそうである。むしろ坑内の温度の急変が健康に悪いだろうとの事である。 (明治四十年十一月一日『東京朝....
人造物語」より 著者:海野十三
いるのも居るという話である。 また、或る炭坑の中で働いているテレボックス君は、坑内の爆発|瓦斯の監視をやって居り、若しも瓦斯がだんだん溜って来て危険が近づいて....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、事々に代表者とあがめ、ために私は雪上にハダカで演説もしなければならなかったし、坑内千五百尺の底においてアッサク空気のドリルをつかい、またダイナマイトを爆発させ....
狂馬」より 著者:佐左木俊郎
最早すっかり老衰してしまって、歩くことさえも自由ではなくなっていた。併し、青は、坑内に働いている誰からも愛されていた。惨めな老人を労るようにして労られていた。 ....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ぐにコテを取って鉄扉の隙間を塗込めはじめた。 ほかの持場の小頭達が、急を知った坑内係長と一緒にその場へ駈けつけて来ると、技師と監督は、工手の塗込作業を指揮しな....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
》い、数十日の日子《にっし》と労力とを費して搬《はこ》び上《あ》げたる木材を噴火坑内に吹き飛ばされ、剰《あまつ》さえ人夫らの中《うち》に、寒気と風雨とに恐れ、た....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
破綻は自ら北九州鉱業会社株の暴落となり、彼の自決せねばならぬ秋が来たのであった。坑内の設備がどんなになっていようが、ガスの噴出がどの程度であろうが、そんなことは....