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「坑夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

坑夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女生徒」より 著者:太宰治
ても、ただ、見ているより仕方がなかった。そのとき、ちょうど近くに居合せた見知らぬ坑夫が、黙ってどんどん崖によじ登っていって、そしてまたたく中《うち》に、いっぱい....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
て貰えます」 後で分ったことだが、この男は、船へ来るすぐ前まで夕張炭坑に七年も坑夫をしていた。それがこの前のガス爆発で、危く死に損ねてから――前に何度かあった....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に喫ってしまって、さらに人にむかって一緒に連れ出してくれと頼むのである。その時に坑夫はこう答える。 「われわれがここへ来たのは金銀を求めるためであるから、このま....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
下の村のはしっこい爺さんが、始めてここの鉱山を採掘した。それ以来、彼等の祖先は、坑夫になった。――井村は、それをきいていた。子も、孫も、その孫も、幾年代か鉱毒に....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
られていた。そしてその罷工の勢いが日ましにはなはだしくなって行って実際七、八万の坑夫がそれに加わったようだった。しかるに、多くの資本家新聞には、毎日ほんの数行そ....
出奔」より 著者:伊藤野枝
しい強い、悲痛な生き方をしてみたい。あの生命がけでその日その日を生きていく炭坑の坑夫のようなつきつめた、あの痛烈な、むき出しな、あんな生き方が自分にもできるのな....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
十四、五で美術学生らしい頭髪をし、整った貴族的な容貌の青年だが、肩から下には、炭坑夫とも見擬うような、隆々たる肉線が現われていた。 彼は法水を見ると、莞爾っと....
家なき子」より 著者:楠山正雄
がその家に行き着くと、ドアによっかかって二、三人、近所の人と話をしていた婦人が、坑夫のガスパールは六時でなければ帰らないと言った。 「おまえさん、なんの用なの」....
平山婆」より 著者:田中貢太郎
福岡県|嘉穂郡|漆生村に平山と云う処があって、そこに坑夫の一家が住んでいた。家族は坑夫の息子夫婦とその両親の四人であった。 明治末....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、大井広介が北九州の某炭坑にユカリの人物で、彼は石炭増産週間につき中央の文士を炭坑夫の慰問ゲキレイに派遣するよう頼まれたが、然るべき文士にはたのまず、お酒や食べ....
狂馬」より 著者:佐左木俊郎
た。 「青! なんとしたことだい。青! 少し元気出せよ。ほう! ほう! ほら!」坑夫達はそんな風に言って、そこを通りかかる度毎に、青の鼻先へ触ってやるのだった。....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
と思うとアッという間に安全燈は釘を外れてレールの上へ転落して行った。 滝口坑で坑夫達に配給していた安全燈は、どこの炭坑とも同じようにやはりウォルフ安全燈であっ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
には脚袢草鞋を穿いていた。其扮装を見て察するに、近来この土地へ続々流れ込んで来る坑夫か土方の仲間らしい。 「私は※じゃアありませんよ。御安心なせえまし。はははは....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
す。今日空気を売買しているのは炭坑であります。そこは空気を坑中奥深く送らなければ坑夫はみな窒息してしまうのであります。 しかしわが大阪の空気は炭坑に比べて決し....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
山郁夫、北沢新次郎、佐野学、猪俣津南雄教授これが教授側の指導者であったので足尾の坑夫が出て来て、これ等の教授宅には泊り込みで護衛する。また文化同盟の事務所には、....