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坪
「坪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
坪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
ながら、気軽く橋の下の洲《す》を見渡した。
橋の下の黄泥《こうでい》の洲は、二
坪ばかりの広さを剰《あま》して、すぐに水と続いている。水際《みずぎわ》の蘆《あし....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
になりかかった梧桐《あおぎり》が、槇《まき》や竹の緑といっしょになって、暖かく何
坪かの秋を領している。こっちの手水鉢《ちょうずばち》の側《かたわら》にある芙蓉《....
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、こらえきれないようにぬすみ笑いをした。
一七
事務長のさしがねはうまい
坪《つぼ》にはまった。検疫官は絵島丸の検疫事務をすっかり年とった次位の医官に任せ....
「或る女」より 著者:有島武郎
日は稲村《いなむら》が崎《さき》のほうに傾いて砂浜はやや暮れ初《そ》めていた。小
坪《こつぼ》の鼻の崕《がけ》の上に若葉に包まれてたった一軒建てられた西洋人の白ペ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
るなり。白糸は生まれてよりいまだかばかりおびただしき血汐《ちしお》を見ざりき。一
坪の畳は全く朱《あけ》に染みて、あるいは散り、あるいは迸《ほとばし》り、あるいは....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
の「お師匠さん」の酒の上の悪かったのを覚えている。また小さい借家にいても、二、三
坪の庭に植木屋を入れ、冬などは実を持った青木の下に枯れ松葉を敷かせたのを覚えてい....
「親子」より 著者:有島武郎
なってるのですが……それがここに認めてある百二十七町四段歩なにがし……これだけの
坪敷になるのだが、そのとおりですな」 と粗い皺のできた、短い、しかし形のいい指....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
擦った、この楽器に別れて、散策の畦を行く。 と蘆の中に池……というが、やがて十
坪ばかりの窪地がある。汐が上げて来た時ばかり、水を湛えて、真水には干て了う。池の....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
その女学校の門を通過ぎた処に、以前は草鞋でも振ら下げて売ったろう。葭簀張ながら二
坪ばかり囲を取った茶店が一張。片側に立樹の茂った空地の森を風情にして、如法の婆さ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
が開け閉てする、その木戸が一つ附いていて、前長屋総体と区切があるから、およそ一百
坪に余るのが、おのずから、糸七の背戸のようになっている。 (――そこへ遁げた――....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ね。」 「どういたしまして、降りませんでも、貴方|川留でございますよ。」 方二
坪ばかり杉葉の暗い中にむくむくと湧上る、清水に浸したのを突にかけてずッと押すと、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
さい建物がありました。四方を板囲いにして、僅かに正面の入口のみを残し、内部は三|
坪ばかりの板敷、屋根は丸味のついたこけら葺き、どこにも装飾らしいものはないのです....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
頃のことである。が、作は随分沢山出たが、傑作は殆んどなかった。その折に出たのが、
坪内逍遥氏の『書生気質』であった。この書物はいままでの書物とはくらべものにならぬ....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
つき合っていた。滝田君に鮭鮓の御馳走になり、烈しい胃痙攣を起したこともある。又雲
坪を論じ合った後、蘭竹を一幅貰ったこともある。実際あらゆる編輯者中、僕の最も懇意....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
とそれは獅子頭の緋の母衣であった。 二人とも出て来た。浜は鳴鶴ヶ岬から、小
坪の崕まで、人影一ツ見えぬ処へ。 停車場に演劇がある、町も村も引っぷるって誰が....