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垂簾
「垂簾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
垂簾の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
た駕籠屋の先棒が草鞋の緒を踏み切った。その草鞋を穿き替えている間に、次郎左衛門は
垂簾《たれ》のあいだから師走の広小路の賑わいを眺めていたが、やがて何を見付けたか....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
い切りよく駕籠にひらりと乗り移った。 「気をつけてお出でなんし」 綾衣が駕籠の
垂簾《たれ》を覗こうとする時に、白粉《おしろい》のはげた彼女の襟もとに鳥の胸毛の....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
向島を出たお絹の駕籠は四つ(午後十時)頃に、向柳原の杉浦家の門前におろされた。
垂簾《たれ》をあげて這い出したお絹は、よろけながら下駄を突っかけて立った。提灯の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い旅籠屋のまえに一挺の駕籠のおろされているのが眼についたので、半七は自分の駕籠の
垂簾《たれ》をあげて透かして視ると、その駕籠は今この旅籠屋に乗りつけたらしく、駕....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
太はもういい加減に酔っていた。 このときに一挺の駕籠がここの店さきに卸されて、
垂簾をあげて出たのは、かの中年増の女であった。女は金を払って駕籠屋を帰して、これ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思うんだが、ばたばたと早足に駆け出して来た奴があって、暗やみからだしぬけに駕籠の
垂簾へ突っ込んだ。駕籠屋二人はびっくりして駕籠を投げ出してわあっと逃げ出した。が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来に冴えてひびくと、通りぬけた駕籠の一挺が俄かに停まった。ひとりの武士らしい男が
垂簾をはねて、彼女のそばにつかつかと進み寄った。そうして、なにか小声でふた言三言....
「食魔」より 著者:岡本かの子
いたって、僕が食うようなものはありやしまいじゃないか」 「そりゃどうせ、しがない
垂簾の食もの屋ですからねえ」 こんな応対で通り過ぎてしまう店先が多かった。無学....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
ていたのであるが、もうこうなっては聞き捨てにならないので、お峰は駕籠を停めさせて
垂簾をあげた。 「その婆さんは起きられないのかえ。」 「息が切れて、もう起きられ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
にも一ぱいに専門の皮膚、泌尿科を麗々しく広告している医学博士。負けずに立看板や色
垂簾で店を武装している雑誌店。これに気付かされて注意すると日本の町は随分広告の多....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
は悲しそうに涙ぐんでいるのもありました。取り分けて肝腎の花形の六三郎の顔が駕籠の
垂簾にかくされているのを、残り惜しく思う若い女もたくさんあったでしょう。そのなか....