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垂髪
「垂髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
垂髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
! あはははは」 「まあ、お口がお悪い!」 「そうそう。あの時山木の女と並んで、
垂髪に結って、ありあ何とか言ったっけ、葡萄色の袴はいて澄ましておどってたのは、た....
「街」より 著者:宮本百合子
せて雀斑《そばかす》だらけのアーニャは、生え際まで赧くなった。彼女は憤ったように
垂髪《おさげ》を背中の方へ振りさばいて、叔母を睨んだ。彼女は、リボンのかわりに叔....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
で御座います。
それから又、あの土下座している髯男の周囲を跳まわっておりますお
垂髪の少女は、高等女学校の二年生で、元来、内気な、憂鬱な性格で御座いましたが、芸....
「ココナットの実」より 著者:夢野久作
裾にハラムの全裸体の屍骸が長々と横っていた。その横の化粧部屋で、妾は久し振りにお
垂髪に結って、新しいフェルト草履を突っかけながら、振り袖のヨソユキと着かえていた....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
おかしいのよ。着くと直ぐに美容院の先生みたいな人が妾を捕まえて、お湯に入れて、お
垂髪に結わせて、気味の悪いくらい青白いお化粧をコテコテ塗られちゃったのよ」 「ハ....
「少年の死」より 著者:豊島与志雄
あった。然し彼が一番嬉しかったのは家の向うのみよちゃんに逢うことであった。漸くお
垂髪《さげ》にしたばかりの愛くるしい顔が彼の頭にはっきり刻まれていた。 仕事場....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
?」 その町内に、身長から物腰から彼女の娘そっくりの少女が一人いた。その小さな
垂髪《おさげ》をしてる後ろ姿を見たとき、彼女は震え上がった。彼女は娘のあとを追っ....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
の箭を取ったが眼を据えて見た。その正次の眼の前に、――だから正次の背後横に、髪は
垂髪、衣裳は緋綸子、白に菊水の模様を染めた、裲襠を羽織った二十一二の、臈たけた美....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
その光の輪の中に、黒漆ぬりの馬盥が、水を張って据えてあり、その向こう側に、髪を
垂髪にし、白布で襷をかけた女が坐っていた。そうして脇下まで捲れた袖から、ヌラヌラ....
「髷」より 著者:上村松園
…… よくもこれだけの名前をつけられたものだと思う。 往古の女性の髪はみんな
垂髪であった。それが、この国に文化の風が染みこんでくると、自然髪の置き場所にも気....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
本――胸を突こうにも喉を突こうにも、死ぬ手だては何一つないのです。わたしは自分の
垂髪をぐいと握って、それで縊れようとしました。……喉へ捲きつけて、ぐいぐい締めあ....