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型
「型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
型の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
とこ》だった。彼の従弟の大学生は馬車の動揺を気にしながら、重吉と余り話もせずに小
型の本に読み耽《ふけ》っていた。それは Liebknecht の追憶録の英訳本だ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
を着用した、どこまでも開化の紳士を以て任じていた三浦にしては、余り見染め方が紋切
型《もんきりがた》なので、すでに結婚の通知を読んでさえ微笑した私などは、いよいよ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
の中にうずめながら、静かに眼をつぶっていた。ちょうど蝋《ろう》ででもつくった、面
型《めんがた》のような感じである。輪廓《りんかく》は、生前と少しもちがわない。が....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
は勿論、大島《おおしま》の羽織、認《みと》めになる指環《ゆびわ》、――ことごとく
型を出でなかった。保吉はいよいよ中《あ》てられたから、この客の存在を忘れたさに、....
「或る女」より 著者:有島武郎
たハンケチを振らねばならなかった。田川のすぐそばに立って、胸に何か赤い花をさして
型のいいフロック・コートを着て、ほほえんでいた風流な若紳士は、桟橋の歓呼を引き取....
「或る女」より 著者:有島武郎
目を見つめながら、
「何? 読んでいらしったのは」
といって、そこにある四六細
型《しろくほそがた》の美しい表装の書物を取り上げて見た。黒髪を乱した妖艶《ようえ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ないような綺麗《きれい》な顔をした女もいた。仁右衛門の酒は必ずしも彼れをきまった
型には酔わせなかった。或る時は彼れを怒りっぽく、或る時は悒鬱《ゆううつ》に、或る....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
る。 僕は今漫然と「いじめっ子」の心理を考えている。あれは少年に現われたサアド
型性欲ではないであろうか? 杉浦は僕のクラスの中でも最も白※の少年だった。のみな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
圧迫から、お前は今始めて自由になることが出来る。これまでお前が、自分を或る外界の
型に篏める必要から、強いて不用のものと見て、切り捨ててしまったお前の部分は、今は....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
った。クララはふと眼をあげて祭壇を見た。花に埋められ香をたきこめられてビザンチン
型の古い十字架聖像が奥深くすえられてあった。それを見るとクララは咽せ入りながら「....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ざいまして、それが幸不幸、運不運の大きな岐路となるのでございますが、私とてもその
型から外れる訳にはまいりませんでした。私の三浦へ嫁ぎましたのは丁度二十歳の春で山....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は、一人物の性格上の欠陥を補充すべく、特にその人に附けられる。又|或る霊は、理想
型の人間を造るべく、自から進んで現世に降ることもあるが、これは高級霊にとりて、特....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
マドリッドへ、リオへ、サマルカンドへ、…… そのうちに或店の軒に吊った、白い小
型の看板は突然僕を不安にした。それは自動車のタイアアに翼のある商標を描いたものだ....
「墓」より 著者:秋田滋
ることはないのです。決して、決して生れて来ることはないのであります。なるほど、鋳
型というものはあるでしょう。それを取っておけば、同じような輪廓をもち、同じような....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
僕等はいつか埃の色をした国技館の前へ通りかかった。国技館は丁度日光の東照宮の模
型か何かを見世物にしている所らしかった。僕の通っていた江東小学校は丁度ここに建っ....