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型紙
「型紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
型紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たのは紅屋徳兵衛です。そこの店先にすわって、商売物のもう用済みになったらしい染め
型紙をあんどんの灯《ほ》ざしにすかしてはながめ、ながめてはすかしつつ、一枚一枚と....
「二人いるとき」より 著者:宮本百合子
ころで、多喜子たちと違っているのであった。多喜子は三畳の方へ来て、テーブルの上へ
型紙をひろげながら、 「ねえ、あなたのところはどう? 私たちこの頃、また随分いろ....
「衣服と婦人の生活」より 著者:宮本百合子
いている婦人労働者が第一位を占めている。アメリカの能率のよい生産行程では、一つの
型紙でもって電気鋏で一度に数百枚の切れ地を切って電気ミシンで縫う。 特に裁縫で....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
「どうしたんでしょう、平気だわ、すこし気がひけちゃう」と云いながら太郎のシャツを
型紙で切って居ります。ラジオが何か音楽をやっている。アボチンがラジオの横でダッチ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
兵衛は京都へ行って友禅染《ゆうぜんぞめ》の染方をならって来てこれに工夫をくわえ、
型紙をつかって細かい模様を描くことを思いつき、豆描友禅《まめがきゆうぜん》という....
「嫁入り支度」より 著者:神西清
の上には指ぬきが一つ、糸まきが一つ、それに編みかけの長靴下が載っており、ゆかには
型紙だの、まだ仮縫いの糸のついている黒い女の上衣が落ちている。隣の部屋では、ふた....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ど注文に応じて随分染めたようでありますが、いつしか古きものの中に入りました。まだ
型紙は残りしかも数多くあるのですから、何か新しい用途に向けたら、仕事はまた起き上....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
「お役で封を切る!」と、ぷッつり――切った麻糸からすべり落ちたのは、印伝革の大
型紙入れ、まさしく多市の掏られた品物だ。 「悪い洒落をする女だ……」と苦笑いした....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ゃんこになってしまう。しかし馬喰町のレート化粧品などで使っていたドイツ製品は、波
型紙をさらにもう一枚の紙にのりづけしてあり、しかも波の型が三角形でなく半円形で、....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
、煙草入の金具だの緒締だのをうる道具屋だの、いろ/\の定紋のうちぬきをぶら下げた
型紙屋だの。――ときに手品の種明しや親孝行は針のめど通し……そうしたものがそれら....