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「型通り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

型通りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
柚木は額を小さく見せるまでたわわに前髪や鬢《びん》を張り出した中に整い過ぎたほど型通りの美しい娘に化粧したみち子の小さい顔に、もっと自分を夢中にさせる魅力を見出....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
う丸髷なんかに結んで、ちょっと老化づくりだったそうですが、これがその、例によって型通り、うそは申しませぬとの宣誓を済まして証言にはいったんですがそのおきぬさんの....
わが町」より 著者:織田作之助
けて、えらい済まなんだけど、話言うのはな、実はおまはんのその孫のことやがな……」型通りのおくやみを述べたあと、笹原はそう切りだした。 「――藪から棒にこんなこと....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ンと喉の塊りを呑み込んで、下腹に力を入れながら、裁判長の顔を仰いだ。 裁判長は型通りの質問をした後きっとなって、証人と被告との関係を尋ねた。 神戸牧師は予審....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
借りて来て、それを位牌の前に置きました。父の以前関係していた会社の人が多勢来て、型通りのおくやみを流暢にのべてくれました。菊の花が部屋中に香り高く咲き、その中に....
モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
れは浅草でウケル型、これは新宿でウケル型、そういう型があり、その型と狎れ合って、型通りの芝居をすればよかったのだ。そういう型がなくなったのだ。 きまった型の中....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
、たのしく遊んでゐる新時代の新人だけがたのもしく見える。政治屋だの社長などゝいふ型通りの商売人は家庭でヤリクリ算段の女房みたいなもので、闇ブローカーといふものは....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
情人)に扮した俳優を使い彼女自身も赤い肩巻に格子縞の Basque という私窩子型通りの服装をして彼女の唄の内容を芝居がかりで補ったものだが、このごろは小唄専門....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
になって、新人活躍の舞台は驚くべき多方面に開けて来ている。従って今日は昔のように型通りの習い覚えでは役に立たず、種々の境遇に応じてこれに順応し得られるよう、心身....
この握りめし」より 著者:岸田国士
、元気なすがたで駐在所に近い愛仙閤という旅館を発つて行つた。増田健次は、しかし、型通りの戸籍調べをしたにはしたのだが、別段、自分がなにをそれ以上にしたか、報告に....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
を送ったが、 「さあさあどなたでもおいでなされ。今日は特別をもちまして、一刀流の型通りに、拙者、貴殿方をお相手として、真剣に立ち合ってお目にかけます。打つ太刀一....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
に風変りでも、この程度に型のような心境を語らせた手記では、いくつ集めても根は同じ型通りのもので、この仕事を喜んでひきうけたのは拙者の浅慮であった。 そういう次....
米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
こへ千代が小太郎をつれて来る。すべて本文とちっとも変えずに遣っていました。千代は型通りの黒紋付に前帯で、扇を持って出ます。戸浪はバルバラ・ガーネー、千代はヘレン....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
この話は、白隠の伝記の正史にはない。江戸時代の随筆のうちにある。あまりに昔の型通りな恋愛譚の発端なので、拵え話だとする人もあるだろうと思うが、それでもよいと....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
》うような腰付で、それを敷きのべながら、さて丁寧に挨拶をする。其言葉も様子もまた型通りに変りがない。 「相変らず何も御在《ござい》ません。お目にかけるようなもの....