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垢面
「垢面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
垢面の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
しかにそれを信じていた。高等学校のころには、頬に喧嘩《けんか》の傷跡があり、蓬髪
垢面《ほうはつこうめん》、ぼろぼろの洋服を着て、乱酔放吟して大道を濶歩《かっぽ》....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
。
舟尻《とも》にすわっている男は山のように動かなかった。
蓬髪《ほうはつ》
垢面《こうめん》――酒の香がぷんとただよう。
見たことのある顔……と栄三郎が闇....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
もののあらざるを見て、遠山金之助|堪えかねたか、矩を踰してずッと入った。 蓬頭
垢面、窮鬼のごとき壮佼あり、 「先生!」 と叫んで遠山の胸に縋りついた。 「お....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
人間の美くしい天真はお化粧をして綾羅に包まれてる高等社会には決して現われないで、
垢面襤褸の下層者にかえって真のヒューマニチイを見る事が出来るといっていた。この断....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
こから先、しばらくのあいだ、どこでどう暮していたか分らない。 文字どおりな蓬頭
垢面を持った彼が、約ふた月ほど後、山から里へ下りて来た。何か或る一つの迷いを解く....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かえて、彼は島以来の荒海藻にひとしい囚衣のままだし、もとより冠はいただかず、蓬頭
垢面そのものだった。 「……疾くより、みかどにはふかく御たよりに思され、時あれと....