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「垣下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

垣下の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:徳田秋声
歩いてみた珍しい賑やかな町や、近所の女の友達と一緒に蟋蟀を取ってあるいた寂しい石垣下の広い空地の叢の香、母親の使いで草履の音を忍ばせて、恐る恐る通りぬけて行った....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
わる事となった。私もそこへ行って見たが、穢い上に、城山の北の麓の櫓《やぐら》の石垣下なので、その櫓には士分の罪ある者の吟味中囚えて置く牢獄等もあったからなお以て....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
五人男の随一人、だてにさした尺八に、雁がねと札を着けた。犬だって浮かれている。石垣下には、鶩が、がいがいと鳴立てた、が、それはこの川に多い鶺鴒が、仮装したもので....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
めた彦兵衛は、露草を踏んで近づきながら石を抛って烏と犬とを一緒に追い、随全寺の石垣下へ検分に行った。 そこに、夜来の雨に濡れて、女の屍骸が仰向けに倒れていた。....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
既に俳優|坊主小兵衛《ぼうずこへえ》を描ける一枚絵ありし事を言へり。寛文十年板『垣下徒然草《えんかつれづれぐさ》』、延宝六年板『古今役者物語《ここんやくしゃもの....
日和下駄」より 著者:永井荷風
もくさん》に逃げ出すがよかろうという事になった。一同はお浜御殿《はまごてん》の石垣下まで漕入《こぎい》ってから空腹を我慢しつつ水の上の全く暗くなるのを待ち船宿の....
すみだ川」より 著者:永井荷風
露をあびた瓦《かわら》屋根や、水に湿《ぬ》れた棒杭《ぼうぐい》、満潮に流れ寄る石垣下の藻草《もぐさ》のちぎれ、船の横腹、竹竿《たけざお》なぞが、逸早《いちはや》....