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埋
「埋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
なにもう一度「お芳さんが」と声をかけた。お鳥は横になったまま、夜着の襟に口もとを
埋めていた。が、彼女を見上げると、目だけに微笑に近いものを浮かべ、「おや、まあ、....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
まま、尾をふって外へ出て来ました。
ところが不思議な事には、それと同時に、雲で
埋《うず》まっている谷底から、一陣の風がまき起りますと、その風の中に何かいて、
....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
も忘れたように、女とばかりしゃべっているじゃないか? 女も先生先生といっている。
埋《う》まらない役まわりは僕一人さ。――」
「なるほど、これは珍談だな。――おい....
「影」より 著者:芥川竜之介
にか元の通り、錠が下りてしまったらしい。陳はその戸に倚《よ》りかかりながら、膝を
埋《うず》めた芒の中に、しばらくは茫然《ぼうぜん》と佇《たたず》んでいた。
「門....
「河童」より 著者:芥川竜之介
見にいってしまいました。僕は……ほんとうに僕はもう、……」
ラップは両手に顔を
埋《うず》め、何も言わずに泣いてしまいました。僕の同情したのはもちろんです。同時....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
林は、心細い響を立て易かった。お蓮は酒臭い夜着《よぎ》の襟に、冷たい頬《ほお》を
埋《うず》めながら、じっとその響に聞き入っていた。こうしている内に彼女の眼には、....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
くるす》に懸《かか》り死し給い、石の御棺《ぎょかん》に納められ給い、」大地の底に
埋められたぜすすが、三日の後《のち》よみ返った事を信じている。御糺明《ごきゅうめ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
れば、河の流れも変わり、芦荻《ろてき》の茂った所々の砂洲《すなず》も、跡かたなく
埋められてしまったが、この二つの渡しだけは、同じような底の浅い舟に、同じような老....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
草の煙を吐いた。
「今|計《はか》ったら七度二分――」
お絹は襟に顋《あご》を
埋《うず》めたなり、考え深そうに慎太郎を見た。
「戸沢さんがいた時より、また一分....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
っと暖簾《のれん》をくぐって来た。客は外套の毛皮の襟《えり》に肥った頬《ほお》を
埋《うず》めながら、見ると云うよりは、睨《にら》むように、狭い店の中へ眼をやった....
「狂女」より 著者:秋田滋
となく昼となく雪が降りつづく季節が来て、野も、森も、氷のような粉雪の屍衣のしたに
埋もれてしまった。狼が家の戸口のそばまで来て、しきりに吼えた。 行きがた知れず....
「墓」より 著者:秋田滋
しめるような冒涜行為を目のあたりに見たのである。 一人の曲者が、前の日にそこへ
埋葬された妙齢の婦人の死体を掘り出して、今しもそれを墓穴から引ッぱり出そうとして....
「初雪」より 著者:秋田滋
と、骨をかむような寒さが再び襲って来た。やがて雪が降りだして、大地は真ッ白な雪に
埋もれてしまった。ある夕がた、真ッ黒な鴉の群がうずを巻きながら、木立のまわりに、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
り、彼らが比較検討したうえで言明するところでは、この騎士の死体はこの教会の墓地に
埋葬されているが、その亡霊は夜な夜なもとの戦場に馬を駆り、頭をさがすのである。亡....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
をした。鋏を洗い、手を洗い、その水をこぼしてから小鳥のからだを、そのむくろを庭へ
埋めにもって行った。そしてそれを苺の木の根元に
埋けた。見つかることは決してあるま....