埋む[語句情報] » 埋む

「埋む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

埋むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪の白峰」より 著者:小島烏水
なるは、夏期わずかの間に候)最も歴々と仰がるべく、夏にても、形は明確に、白雪山を埋むる今にても、こを恋人とせる小生の目には、同じ雪に蔽《おお》われながらも、この....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
であった。 一、城中新古将士の罪を問わざるべし。 二、本丸を除き二、三の丸の濠を埋むべし。 三、淀君質となるを得ざるを以て、有楽|治長質子を出すべし。 この媾....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
たなど、有名な話である。大体彼は建築道楽で、寛正の大飢饉に際し、死屍京の賀茂川を埋むる程なのに、新邸の造営に余念がない。 彼の豪奢の絶頂は、寛正六年三月の花頂....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ざるべし。識者誨教を惜しむなかれば幸甚のみ。 一、本篇もとより日刊新聞の社説欄を埋むるために起草せしものなれば、したがって草し、したがって掲げ再閲の暇あるべきな....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
ば、身心|※骨と衰えたり。国のため捨つるこの身は富士の根の富士の根の雪にかばねを埋むとも何か恨みむ今はただ。我父母に背く科。思えば憂しや我ながら。いずれの時かな....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ンドの写真が大きく出ている。それを見たとき自分は愕然として驚いたのであった。場を埋むる人間の群れが、先刻見たばかりの映画中のフラミンゴーの群れとそっくりに見えた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
alade(病人)であり、処刑された者は一つの mort(死人)である。 身を埋むる四方の石壁のうちにあって、囚人にとって最も恐ろしいものは、女に接しない一種....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
べ、先覚者の示教を仰ぐと同時に、また一面には学者と世俗との間に存する誤解の溝渠を埋むる端緒ともなさんとするものなり。元来この種の問題の論議は勢い抽象的に傾くが故....
雪の宿り」より 著者:神西清
方は打首を車八|輛に積んで西陣へ引上げたとも申し、白雲の門より東今出川までの堀を埋むる屍幾千と数知れなかったとも申しております。 さあこの報せが光明峰寺にとど....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
その樹のあたりから路が坂に低くなる、両方は、飛々|差覗く、小屋、藁屋を、屋根から埋むばかり底広がりに奥を蔽うて、見尽されない桜であった。 余りの思いがけなさに....
妖怪学」より 著者:井上円了
す。みな木剋土の理なり。土剋水とは、水よく川海を流る。しかれども、堤を築きこれを埋むれば、流れ浸すことあたわず。これ、土は水にかつの理なり」 以上の解釈は、古....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
平安朝頃に至っても頻りに行われていた。孝徳天皇大化の制にも、民亡する時は地に収め埋むと云い、大宝令には或る一定の資格を有するもの以外は墓を営むをえずともあって、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の妥協は、あの美に対する放恣な反逆は。 私がもし秦の始皇帝ならば、焚くべき書、埋むべき坑はいかほどあるか。私は相応に知っている。決して文芸に就いては風俗壊乱の....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
色彩の世界が展開していた。 満谿――片品川上流の粘沢、柳沢、中岐沢の一部――を埋むる闊葉樹の大森林は、見渡す限り赤と黄と其間のあらゆる色とに染められて、朝暾落....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
く沁み込む。この大虎杖の叢は北アルプス北部の渓間に特有の景象で、南アルプスの渓を埋むる深い森林とは、また異った快感を私達に与えるものである。 また平に出た、南....