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「埋め合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

埋め合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
皮膚と心」より 著者:太宰治
まったくやしさが、舌を噛《か》みたいほど、痛烈に感じられ、いまのうち何かでもって埋め合せしたく、あの人とふたりで、ひっそり夕食をいただきながら、侘びしさ堪えがた....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
て行った。 貴子は、同時に何人もの男をつくるのは平気であったが、その代り、その埋め合せといわんばかしに、男が何人も女をつくるのには平気でおれなかった。何人も女....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、搾油にも、製糖にもこの方法を用いていた。世知辛い行きつまった内地で儲けられない埋め合せはここでつけた。 工人達の窮乏は次第に度を加えて来た。彼等はただ饅頭や....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
に彼女を思っていたか。その人間などはまだそうして傍に置いとくことが出来ただけでも埋め合せがつく」私は溢すようにいうのであった。 「三野村さんのようここでお園さん....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
も彼自身のものであった。別けても結構で嬉しいことには、彼の前にある時が、その中で埋め合せをすることの出来るような、彼自身のものであった。 「私は過去においても、....
自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
―(と彼の女は申します)あんなに高い月給でも、やはり私の現在の位置の不愉快さは、埋め合せてはくれませぬ。土曜日に私はロンドンに帰り、もうこっちには来ないつもりで....
光は影を」より 著者:岸田国士
理にきまつていた。ところが、遠矢幸造に前借りを値切られた代りに、平山いくが、その埋め合せに、耳寄りな話を持ち出した。というのは、彼女のもとの朋輩で、やはり、同じ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
。わたしは不幸だから、このみじめさをそいつにも分けてやるのだ。けれども、わたしに埋め合せをしてくれて、そいつらからこの災難をなくする力が、あんたにはあるのですよ....
暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
のワトソン君、君には君の持前の好奇心を満足させずに、今まで待たせておいたことの、埋め合せをしなければならないし、それから検察官、あなたにはこの事件の一切は、最も....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
り、婆さんははばかりに立つ暇もないとこぼしたので、儲けの分を増してやることにして埋め合せをつけるなど、気をつかいながら、狭山で四日過し、 「――こんな眼のまわる....
」より 著者:織田作之助
にいただいている気の毒な分会員達は二週間の訓練の間、毎日の如く愚劣な、そしてその埋め合せといわんばかりに長ったらしい殺人的演説を聴かされて、一斉に食欲がなくなっ....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
一日からの京都市主催の綜合展の出品画――長いこと帝展をやすんでおりますから、その埋め合せと申すのでもありませんが、今度は何か描いてみようと思い立ちまして、二尺八....
」より 著者:カフカフランツ
そのためにシュワルツァーは夜分眠れぬままにうろつきまわり、つぎにKに自分の悩みの埋め合せをさせたのだ。むろん、別な面からいえば、Kはシュワルツァーのこんなふるま....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
己達は渇に悩んでいなくてならんのか。 これは年来経験して知っている。 この欠陥を埋め合せようとして、 形而上のものを尊重するようになり、 啓示がほしいとあこがれ....
追放されて」より 著者:神西清
るのは、神様の思召しではない。もし妻が一日でも一時間でも来て呉れたら、その幸福の埋め合せにはどんな艱難もよろこんで忍ぼう。神様にも感謝しよう。何も無いよりは、た....