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埋もれる
「埋もれる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋もれるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
ながら洋風めいていて、南向きの広い露台を持っていた。木材の多い地方ではあるが雪に
埋もれる期間が長いので、露台はコンクリートでできていた。コンクリートの階段と手摺....
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
は彼自身の社会に対する一切の野心と慾望を擲《なげう》って、美人の妻と一所に田舎に
埋もれるという、涙ぐましいほどに甘美な夢を、安心して、夜となく昼となく逐《お》い....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
の書店で、赤いバンドをかけた一冊の雑誌を初めて見て平林たい子の受けた刺戟と驚異。
埋もれる天才と環境との問題へ目をひらかれ、ひいては女の社会条件とその関係へと心を....
「古狢」より 著者:泉鏡花
て、山の麓を、五町ばかり川添に、途中、家のない処を行くので、雪にはいうまでもなく
埋もれる。平家づくりで、数奇な亭構えで、筧の流れ、吹上げの清水、藤棚などを景色に....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
々と働き続けていた。用があって口を利く時にも、皆声を低めた。時がたてば書物が埃に
埋もれるように、彼等の声も沈黙のうちに
埋もれる。私は自分の声がだんだん低くなるの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
対かもしれないが)――もってると断言した。二人とも口をそろえて、かかる才能が長く
埋もれるはずはないと公言し、その真価を世に紹介しようと約した。そしてまず手始めに....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
張にも似、子供の衣服のなお大人にまとわれんことを求むる執拗《しつよう》さにも似、
埋もれる死骸《しがい》のなお生きたる人々を抱擁しに戻りきたらんとする情愛にも似て....
「自殺を買う話」より 著者:橋本五郎
いたんだ、剃刀で咽喉を切って――。僕は、僕は身も世もなかった、死体に取りすがって
埋もれる程泣きたかった――」 ふたりの間には、ながい間言葉がなかった。うそ寒い....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
人は一概にいうけれども、それは決してそうではない。変化は却ってその方に多い。雪に
埋もれる六ヶ月は成程短いということは出来ない。もう雪も解け出しそうなものだといら....