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埋れ木
「埋れ木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋れ木の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
中にあらわれてくる。たとえば、松は枯れればそのまま腐敗するが、杉は、神代杉という
埋れ木になることが出来る。いわば、これは化石になる成分で、それが現われたものは絶....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
破滅に陥るかも知れないと思われるのですが、しかし私自身の一生涯が、この病院の中で
埋れ木になるか、ならないかの境い目と思いますから、背に腹は換えられない気持ちで、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》の子もいるということを聞いた。それよりも、名取川の名そのものと切っても切れない
埋れ木というものがこの川から出るのだ――はて、鮎のほかに鮭の子はいないか。もし、....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
床の間に、擬《まが》いの応挙《おうきょ》らしい一幅の前に、これだけは見事な碁盤と
埋れ木細工の対《つい》の石入れがあったことを思い出しながら、伝二郎はなれなれしく....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
と定めたまいしを我にことわるため招ばれしか、そうにもあらば何とせん、浮むよしなき
埋れ木のわが身の末に花咲かん頼みも永くなくなるべし、ただ願わくは上人のわが愚かし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ゝ二百両という大金を才覚のしようは無し、このお刀が手に這入らなければ若旦那は生涯
埋れ木にお成りなさるゆえ、此処で取損なうは残念なことだ」 と誠しやかに申します....
「三国志」より 著者:吉川英治
でした。――聞説、いま司馬懿は、郷里の宛城に閑居しておるとか、あの大英才を国家が
埋れ木にしている法はありません。よろしく、今日こそ、お召し出しあるべきでございま....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
見付からないので、雪を掻いて地面を改めたりなどした。膝から下は既に感覚を失って、
埋れ木に向脛や跖などを払われたり打ち付けたりしても少しも痛さを感じない。甲武信岳....