埋伏[語句情報] »
埋伏
「埋伏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋伏の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て洗濯物を取り入れた。
やがて食卓から立って妻児が下りて来た頃は、北天の一隅に
埋伏し居た彼濃い紺※色の雲が、倏忽の中にむら/\と湧き起った。何の艶もない濁った....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
しちゃいかんよ」 ひとりの声は手塚らしい。あとは四、五人、しのびしのびに三方に
埋伏する。 「なにをしてるんだろう」 千三はこう思った。こういうことはめずらし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
兵はそこにきて、ただ生籬ばかりだと思ってそれを乗り越すと、その先には障害物であり
埋伏所である壁があり、その後ろにはイギリスの近衛兵がおり、一時に発火する三十八の....
「三国志」より 著者:吉川英治
めたもうは、天、われを扶くるのである。怠ってはなるまい。九陣にわかれ、八面に兵を
埋伏し、各※、英気をふくんで、夜陰を待ちかまえろ」 と、必殺の捕捉陣をしいて、....
「三国志」より 著者:吉川英治
も折れよと振った。 かかることもあろうかと、かねて隠しておいた弩弓隊や鉄砲隊の
埋伏の計が、果然、図にあたったのである。 天地も裂くばかりな轟音となって、矢石....
「三国志」より 著者:吉川英治
は一笑に付して、 「伏勢があれば伏勢を蹴ちらすまでだ、これしきの敵、たとえ十面|
埋伏の中を行くとも、なんの恐るるに足るものか。――ただ追い詰め追い詰め討ちくずせ....
「三国志」より 著者:吉川英治
防法によらず、奇防策を採った。 陣中の柵内には、旗ばかり立てて、兵はみなほかに
埋伏していた。そして夜も二更の頃になると果たして、一団の軍勢が、手に手に炬火をも....
「三国志」より 著者:吉川英治
だした。 「よしっ。出ろ」 八門をひらいて、城外へ出る。同時に、南北の山すそに
埋伏しておいた城兵も、鵬翼を作って、寄手を大きく抱えてきた。 潰乱、惨滅、玄徳....
「三国志」より 著者:吉川英治
向けてあるが、それを弱兵ばかり七、八百に減らして、ほかはすべて西北にあたる山中に
埋伏するように、至急、君が行って指図してくれ」と、指令した。 潘璋が去ると、ま....
「三国志」より 著者:吉川英治
すぐまた、急にお城へ取って返して下さい。――そして私は別に五千騎を擁して、要害に
埋伏し、搦手の山にある敵の伏兵が、虚に乗ってきたところを捕捉殲滅します。――もし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
一人が、まったく方角ちがいな美作の佐用方面からここへたどりついて来た。彼はここの
埋伏の陣を見るなり、こう叫んだ。 「とんでもない! こんな所へ幾日陣を伏せてお待....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
襲ってくる地点にはほぼ条件がある。「出そうだ」と思われる所に出てくる。おおむね、
埋伏、視野、遁走に都合のよい山岳をうしろにしている。 その夕。すでに犬上郡へ入....