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埋立て
「埋立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
からぬ興味をそそられて、暮春の東海道を愉快にあるいて行った。 その頃は高島町の
埋立てもなかったので、ふたりは先ず神奈川の宿にゆき着いて、宮の渡しから十六文の渡....
「河明り」より 著者:岡本かの子
落ちていた時代の河口の沖積作用を確めることが出来たし、その後、人工によって河洲を
埋立てて、下町を作った、その境界も知れるわけであった。この亀島町辺も三百年位前は....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、体が楽だという触れ込みのある千葉の蓮池から出ることにしたのであった。 蓮池の
埋立てだという蓮池の花街は、駅から二丁ばかり行った通りにあった。その辺には洋食屋....
「猫車」より 著者:宮本百合子
体が運ばれるだけでも庄平の寝ている畳は一足ごとにひどく軋んだ。そこら一帯は田圃の
埋立て地でたださえ地盤がゆるい上、線路が近くて、汽車の通るたんびに土台からゆすら....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
へだてて、辛うじて重吉の家はそのままのこされたが、麦畑はつぶされ、その先の田圃も
埋立てられ、その畑をつくっていた一軒の家は、在ったところをずっと山際よりに引こん....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
土を持とうとする中世紀らしい発案だったのでしょうが、それは、まるで、金銀で湖水を
埋立てしようとするようなものです。夥しい人夫と土砂と支出を負担して、トロニア銀行....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
三囲稲荷の横手を巡《めぐ》って土手へと通じている。小径に沿うては田圃《たんぼ》を
埋立てた空地《あきち》に、新しい貸長屋がまだ空家のままに立並んだ処《ところ》もあ....
「上野」より 著者:永井荷風
しくして殆ど住むに堪えないと云うことである。 不忍池の周囲は明治十六七年の頃に
埋立てられて競馬場となった。一説に明治十八年とも云う。中根淑の香亭雅談を見るに「....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
柳はいつの頃枯れ朽ちたのであろう。今は河岸《かし》の様子も変り小流《こながれ》も
埋立てられてしまったので元柳橋の跡も尋ねにくい。 半蔵御門《はんぞうごもん》よ....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
ろうこう》を横ぎって、再び小名木川の本流に合している。下谷《したや》の三味線堀が
埋立てられた後、市内の堀割の中でこの六間堀ほど暗惨にして不潔な川はあるまい。わが....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ん。――それにサ、もうこの界隈には地所はありませんぜ」 「なあに、まだ、あの通り
埋立てているじゃないか」 「ところが、葭の生えているうちから、みんなあばき合いで....
「鬼」より 著者:吉川英治
町もある大溜池の開鑿工事がはじまった。 掘った土は、低地の茅原や沼地をどんどん
埋立てて行った。一ヵ所の溜池ができると、附近の川の性能がまるで違って来た。なぜな....