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埋立地
「埋立地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋立地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
迷していた。スキーの味を知らぬ僕は、雪雲を見て腹が立つばかりだった。 もうすぐ
埋立地の方へ移転することと決っていた市庁は、外から見たところ、まるで鼠の入れ物か....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ヶ所に於ける展望が出来、その附近の音響を聞き分ける仕掛けがあった。例えば、芝浦の
埋立地に、鉄筋コンクリートで出来た背の高い煙突があったが、そこからは、一度も煙が....
「地中魔」より 著者:海野十三
思議に呆然と立ちつくした。そんな筈はない。 その夜更け。ここは東京の月島という
埋立地の海岸に、太った男が、水のボトボト滴れる大きな潜水服を両手に抱えて立ってい....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
と顔を歪めた。 「H・S製罐会社」は運河に臨んでいた。――Y港の西寄りは鉄道省の
埋立地になって居り、その一帯に運河が鑿られている。運河の水は油や煤煙を浮かべたま....
「家」より 著者:島崎藤村
家は厩橋寄の方であった。その位置は駒形の町に添うて、小高い石垣の上にある。前には
埋立地らしい往来がある。正太は家を出て、石段を下りた。朝日が、川の方から、家の前....
「縮図」より 著者:徳田秋声
神経をも苛立たせ、頭脳を痺らせてしまうのであった。しかし工場の在る処へ、ほとんど
埋立地に等しい少しばかりの土地を、数年かかってそこを地盤としている有名な代議士の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
う甲板の方々でこの真似が流行り出している。 船の周囲は、商隊の乗り捨てた小舟で
埋立地のようだ。遠くからは、蝉の死骸に蟻がたかったように見えるに相違ない。海上の....
「「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
、夢は持ってる。いつまでも持ってる。甞てもそうだった。友と二人で、曇天の下、芝浦
埋立地にじっとしていたことがあり、お互に夢を持ってそうしていたことが、泣きたいほ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
伊東の街々では門前に人々が立って熱海の空を見ている。自転車で人が走る。火元は
埋立地だという。銀座が焼けた。糸川がやけてる。国際劇場へもえうつった。市役所があ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
なってしまった。 それからはこの島に――といっても、当分のあいだではあるが――
埋立地から出る、渡船で聯絡するようになった。そうして、東京という大都市のなかに、....
「道」より 著者:織田作之助
はまるで古綿を千切って捨てたも同然の薄汚れた姿を無気力に曝していた。そのあたりは
埋立地のせいか年中じめじめした湿気が去らなかった。日の射さぬ中庭は乾いたためしは....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
の渓谷と山林美とを背景にして、新しい形式の動物園が設置され、宝塚には武庫川東岸の
埋立地を買収して、ここに新しい大理石造りの大浴場、および瀟洒な家族温泉を新設する....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
大いに気の毒になったので。 「まったくねえ、お前さん、溜池から湧いて出て、新開の
埋立地で育ったんですから、私はそんなに大した事だとも思いませんでしたが、成程、考....
「上野」より 著者:永井荷風
の如く一時繁栄を極めたが、明治二十一年六月三十日を限りとして取払われ、深川洲崎の
埋立地に移転を命ぜられた。娼家の跡は商舗または下宿屋の如きものとなったが、独八幡....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
ひどくしかられたのを覚えている。 こないだ、久しぶりに芝浦へ行って見ると、第一
埋立地の広くなっているのに驚いた。むかしあんなに遠浅だった浜に、立派な埠頭の出来....