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埋草
「埋草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
埋草の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
と呼ばれるほどの嘘《うそ》を吐《つ》き、などの川柳《せんりゅう》をときどき雑誌の
埋草《うめくさ》に使っていましたが、あれほどお慕いしていた藤村先生の『ト』の字も....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
数にあっただろう。一人の天才が選ばれるためには、多くの無名の芸術家が、その足下に
埋草となっているのだ。無名の芸術家でも、その芸術的向上心において、芸術的良心にお....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
だった。少くとも辞職の瞬間に相応わしいような声だと、思った。自分の記事が別刷りの
埋草だけに使われたということへの怒りが、この気持に拍車を掛けた。社長の痩せた貧相....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
た。 朝子は、落ついたなかにどこか派手な感じを与える縞の袂の先を帯留に挾んで、
埋草に使う切抜きを拵え始めた。 廊下の遠くから靴音を反響させて、伊田が戻って来....
「長塚節氏の小説「土」」より 著者:夏目漱石
譫言《うわごと》なり」とあった。同雑誌の編輯者《へんしゅうしゃ》が一行余った処へ
埋草に入れたものである。ブラウニングは後年人に語って、あの批評のために自分が世間....
「新感覚論」より 著者:横光利一
は自分の指標とした感覚なるものについて今一度感覚入門的な独断論を課題としてここで
埋草に代えておく。 これまで多くの人々は文学上に現れた感覚なるものについて様々....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
時評などを漫然と読んでいると、ふと「新劇研究会の公演」という見出しが眼についた。
埋草のように六号で組まれたものだが、姉が関係していることを知っているだけに、新子....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
なら上げまいものでもないから、それだけの入費をお出しなさいな、私も十九まで育てた
埋草をしなけりゃなりませんよ、金が出来ねえなら直ぐお返しなすって下さい、連れて帰....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
めに注いでくれ給え、社会のことはすべて根気だ、僕は一生工夫や土方を相手にして溝の
埋草になってしまっても、君たちのような青年があって、蒔いた種の収穫をしてくれるか....
「私の生活(二)」より 著者:種田山頭火
が、もう余白がなくなった。余白といえば、私の生活は余白的だ、厳密にいえば、それは
埋草にも値しないらしい。 (「三八九」第三集)....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
亡との日表の様なもので、それに天気の報道が少しある。話の種にも成らぬ様なつまらぬ
埋草は掲載せぬので、時によると「前号発兌以来、一つも注目するに足る事件無し」との....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
水翻案の方は専門家の側にも珍重せられて来たので、此機会に三馬と道連れにして雑誌の
埋草に使用する。 『絵入教訓近道』は題名の如く春水が教訓を標榜した草双紙であるが....