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城下
「城下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
城下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
太郎の初七日《しょなぬか》をすますと、もう暖国の桜は散り過ぎた熊本《くまもと》の
城下を後にした。
一
津崎左近《つざきさこん》は助太刀の請....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
。
「そちはどこで産《うま》れたな?」
「芸州《げいしゅう》広島《ひろしま》の御
城下《ごじょうか》でございます。」
直孝はじっと古千屋を見つめ、こういう問答を....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、げっそり瘠せたような顔色で、 「一ッきり、洞穴を潜るようで、それまで、ちらちら
城下が見えた、大川の細い靄も、大橋の小さな灯も、何も見えぬ。 ざわざわざわざわ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
をいたす。元来この青獅子が、並大抵のものではないのだ。伝え聞く。な、以前これは御
城下はずれ、群鷺山の地主神の宮に飾ってあった。二代以前の当城殿様、お鷹狩の馬上か....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
かりだから話をする。 今でこそ、立派な医者もあり、病院も出来たけれど、どうして
城下が二里四方に開けていたって、北国の山の中、医者らしい医者もない。まあまあその....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
そこで、はじめて気がついたと云うのでは、まことに礼を失するに当る。が、ふとこの
城下を離れた、片原というのは、渠の祖先の墳墓の地である。 海も山も、斉しく遠い....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
かった、お米の実家の檀那寺――仙晶寺というのである。が、燈籠寺といった方がこの大
城下によく通る。 去ぬる……いやいや、いつの年も、盂蘭盆に墓地へ燈籠を供えて、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
名の、おときをちょっと訛ったので。――勿論亭主の好みである。 つい近頃、北陸の
城下町から稼ぎに出て来た。商売往来の中でも、横町へそれた貸本屋だが、亭主が、いや....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
うむ、」といって、重瞳異相の悪少は眠くないその左の目を擦った。 「加州は百万石の
城下だからまた面白い事もあろう、素晴しい事が始まったら風の便にお聞きなさいよ。そ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
けれども、勝氏は決してかかる迂濶の人物にあらず。思うに当時|人心激昂の際、敵軍を
城下に引受けながら一戦にも及ばず、徳川三百年の政府を穏に解散せんとするは武士道の....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
た制帽で、巻莨ならまだしも、喫んでいるのが刻煙草である。 場所は、言った通り、
城下から海岸の港へ通る二里余りの並木の途中、ちょうど真中処に、昔から伝説を持った....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
耳が聞えないんですから、その女は前途へ指さしでもしたらしい。……(いや、われらは
城下のものにて、今度、浦々を見物いたし、またこれよりは滝谷の妙成寺へ、参詣をいた....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
を云う。近国近郷の称呼。)の、あんたの家へ寄宿せぬさき、親どもに手を曳かれて、お
城下の本願寺、お末寺へ参詣した時、橋の上からも、宿の二階からも、いい姿に、一目に....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
すから。……」 だのに、それから、十歩、二十歩とはまだ隔らないうちに、目の下の
城下に火が起った――こういうと記録じみる――一眸の下に瞰下ろさるる、縦横に樹林で....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
た。三人の百姓は少しばかりの田を耕しながら、その合間に炭を焼いて三里ばかり離れた
城下に売りに行くのを仕事にしておりました。 三人の百姓の生れた村というのは、そ....