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「城塞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

城塞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
を越した事を知った。その夜は葉子には不幸な一夜だった。かろうじて築き上げた永遠の城塞《じょうさい》が、はかなくも瞬時の蜃気楼《しんきろう》のように見る見るくずれ....
党生活者」より 著者:小林多喜二
したとすれば、俺たち生命がけだぜ!」 私がそう云うと。 「我々にとって、工場は城塞《じょうさい》でなくて、これア戦場だ!」 と、須山は笑った。 「それは誰から....
新生」より 著者:島崎藤村
感じた。心持の好い朝で、何を眺めても眼が覚めるようであった。次第に巴里の近郊から城塞《じょうさい》の方へ近づいて行った。車窓に映る建築物の趣なぞも何となく変って....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
に白く雪の帽子を被つているヘルナーの霊峰、そしてその山腹に残っている廃墟オルタの城塞の壁。毎朝目をさますと、きまってドレゴはこのヘルナーの霊峰とオルタの古城を仰....
地球盗難」より 著者:海野十三
先に裏門の中に飛び込んだのであった。こんな大芝居でもうたなければ、まるで中世紀の城塞のような辻川博士邸内に忍び入ることはまず不可能だと思われた。学士が潜入した目....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
たその中に水を浸み出す砂の層が大きな横縞になっていた。崖端のロマネスクの休亭は古城塞のように視覚から遠ざかって、これ一つ周囲と調子外れに堅いものに見えた。 七....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
的な怪物でしたよ。ところで貴方は、東ゴートの王テオドリッヒを……。あのラヴェンナ城塞の悲劇を御存じでしょうか」 「フム、最初射損じても、テオドリッヒには二の矢に....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
搾取ヲマスマスヤサシクシ、諸君ノ妻ヤ子ヲ、飢ニヒンセシメ、諸君ヲモ絞殺スル反動ノ城塞ヲ固クスルモノデアル。 分割センガ為メニ弾圧スル――コレガ支那ニ於ケル帝国....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
のような厳しい塀をめぐらせて、どきつい景観となっていた。朱色の煉瓦を積んだ古風な城塞のような建物であった。そして外廓は何の必要があってかふしぎにも曲面ばかりを持....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
小さな島だ。ゼルシー島だよ」 「ゼルシー島か。ゼルシー島といえば、メントール侯の城塞のある島だ」 「そうだ、物覚えがいいね、君は。しかしその城塞が、ドイツ軍の爆....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
が博士の率いてきた驚異軍艦ホノルル号か。うむ、すばらしい。全く浮かべるくろがねの城塞じゃ」 「うふふん、そうでもないよ」 「いや、謙遜に及ばん。余は、ああいう世....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
かも知れない。 さて、ふたたび塔の上から眼を放つと、市の端れの小高い坂の角に、城塞めいた円い家が注意をひく。 これはグルドブロロプス・ヘメットという国営のア....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
れが命懸けであることを私はちゃんと知っていた。なぜなら、そのように強力で、個性の城塞までも揺り動かすほどの薬は、ほんのちょっとでも飲み過ぎたり、服薬の時が少しで....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
、諸国の要塞の粋をとって築城したもので、当時は高坂|弾正が守備していた。 この城塞は規格が小であるから、中に収容しうる兵力はせいぜい二千足らずであるが、余が一....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
、祇園の犬神人も下司法師原の徒で、けだし大社大寺には多く付属していたのであろう。城塞修築等の土木工事にも彼らは使役せられた。同書文明十一年十月一日の条に、「城人....