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「城壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

城壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
こで一切の事情が分かったような気がした。水戸が今まで横たわっていたところは大きな城壁の真下ともいうべき場所だった。その城壁は相当の高さであって、頂上は見えなかっ....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
で喚いた。なんという思いがけないことだろう。僕の指さきに籠めた僅かばかりの力で、城壁のように動かないと思っていた扉がギイッと音をたてて外へ開いたのだった。渓谷の....
空中墳墓」より 著者:海野十三
人の上にかかっているようだ。二つの浮船の行手間近かに聳え立つは荒涼として死の国の城壁かと思わるる月陰の地表である。凄惨限りなき空中墳墓! おおこの奇怪きわまりな....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
を、早く何とか片づけないといけない」 父親治明博士は苦しそうに喘《あえ》いだ。城壁《じょうへき》の聖者《せいじゃ》 その夜、するどくとがった新月《しんげつ》....
流線間諜」より 著者:海野十三
ない。ああ、しかもその両者を連ねるものは、満々たる海水にも浮氷にもあらで、これは城壁のように聳えたった立派な大堰堤だった。 「分った!」と帆村は叫んだ。「ベーリ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
、まもなく中で大騒ぎが始まった。彼はおぞけをふるって逃げ出し、夜どおし歩いて終に城壁を乗り越え未荘に帰って来た。彼はこんなことは二度とするものでないと誓った。こ....
十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
ての方面の生活手段に、必需的なものとなってゆくのだ。『ラジオ界』などという小さい城壁にたてこもることが許されなくなる。一にもラジオ、二にもラジオで、結局、世界は....
荘子」より 著者:岡本かの子
秦の豪傑肌な赫ら顔と張儀の神経質な青白い顔とが並び合って落日を浴び乍ら洛邑の厚い城壁に影をうつして遊山から帰って来た昔の姿がいまでも荘子の眼に残って居る。今、廟....
」より 著者:犬田卯
女は夫を突きとばして寄せつけなかった。いまもまた、あの、夫の何かしら不敵そうな、城壁を築いたような態度から、彼女は肥料代のことに思いを及ぼし、まざまざと母の烙印....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
満足して蝸殻の小天地に安息しておる。懐疑といい疑惑というもその議論は総てドグマの城壁を固めて而してドグマを以て徹底した思想とし安心し切っておる。二葉亭が苦悶を以....
西航日録」より 著者:井上円了
ること百数十里なり。その地、山に踞し湾に枕し、風景すこぶる佳なり。市街を囲繞せる城壁今なお存し、四方に城門ありてこれより出入す。城内には壮大の寺院数個、いずれも....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ぶる闊大にして、旧教墓地、新教墓地、および異教墓地の区界を有す。またその一隅に、城壁のごとく煉瓦にて高く築き上げたる合葬場の設備あり。午後、図書館を一覧す。蔵書....
革命の研究」より 著者:大杉栄
しようともしないのと同じようなものだ。 武器を持たない民衆がバスティーユの厚い城壁と大砲とに向って進んで行く。女どもがヴェルサイユへ走って行って王を捕虜にして....
民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
て、もしくは富豪の家庭にて、潜在する如き幾多の虚偽と罪悪に満ちた生活には、外面は城壁で守られ、また剣で講られる必要があっても、内部に何の反撥する力というものが存....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。思いがけぬ谷間に集落があり、白い草花がまっさかりだ。また岡の上に高い望楼のある城壁をめぐらせた町があり、顔に刀傷のある男がぬっと出てくる。こんな間の中国旅館に....