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城砦
「城砦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
城砦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れず、しかも、絶えず抑圧を続けられる場合に発する例しがあるのだ。ちょうど黒死館の
城砦めいた陰鬱な建物に、僕はそういう、非道徳的な――むしろ悪魔的な性能を、すこぶ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
礼を受け城壁のような岩の壁は暗褐色に色を変え、所々に灌木が生えている。 「自然の
城砦とはこの事であろう」 庄三郎は感にたえ岩壁の方へ寄って行ったが根もとに立っ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
てある。その点だけでも大したものだ。それに其上、屋敷というものは、住人に執っては
城砦だ。攻めて来る敵を防がなければならない。ところで此処にある此模型だが、そうい....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ないような、華やかな観世物になってしまったのであった。市長閣下は堂々とした官邸の
城砦の中で、何十人という料理番と膳部係とに、市長家として恥ずかしくないような、聖....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
うな気がする。 もう一つ他の頁。 夜。一|哩の長線道を自由港まで散歩。片側は
城砦。いっぽうは海峡の水。コペンハアゲン訪問者の忘れてならない一夕のアドヴェンチ....
「公孫樹」より 著者:豊島与志雄
、或者はアスファルトを、或者は砂利を、煮え立ったまま石油缶の桶一杯すくい取って、
城砦のような高い建築の中に、運び上げてゆく。釜が空になると、またアスファルトや砂....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な芳香を空中に充満させる。――花々しい軍旗を押し立てて労働階級を率い、有産階級の
城砦《じょうさい》を攻撃せしむるにいたった、それらの思想は、有産階級の夢想者らの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
君の隊の目ざす所は、世界の征服なんだ。空気を占領し、自然原素を従え、自然の最後の
城砦《じょうさい》を打ち破り、空間を辟易《へきえき》させ、死を辟易させるがいい…....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
は訓めるように云った。 「二人ながら紙帳を出るな! ……紙帳こそは拙者の家、わが
城砦、この中にそちたちいる限りは、拙者身をもって護ってとらせる! 出たが最後、拙....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
称であって、その中には大森林や大渓谷や瀧や沼があり、そのずっと奥地に井上嘉門の、
城砦のような大屋敷が、厳然として建っているのであった。 今日の歩みをもってすれ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
に、無数の書籍をはじめとして、大砲の模型、小銃の模型、地雷の模型、巨大な地球儀、
城砦の模型、軍船の模型、洋刀の模型、背嚢の模型、馬具の模型、測量器、靴や軍帽や喇....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
あったろうか。後にナポレオン三世になったルイ・ナポレオンその人で、その頃はハムの
城砦に囚われておったのだ。 ナポレオンはその後にも「鉛のように軟くて、しかも鎔....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
は、欲望は嫌悪に変じているくせに、ぜんぜん消滅しているわけでもない。値うちの高い
城砦はけっして蹂躙されてはならないくせに、しかも城の周りでなら激戦が戦われてもい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
昔から秀吉は、数知れぬ難攻不落の城々を攻めた経験の持主であります。しかし、どんな
城砦でも秀吉が一目見るときには、どこかに隙がありました。何となく運命に恵まれない....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。 何であろうと、仰いで見ると、これは驚いた。遼陽占領奥軍大奮闘の図、竜宮風の
城砦が今まさに炎上しつつある赤と黒との凄まじい煙の前面で、カーキ服の銃剣、喇叭、....