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「城郭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

城郭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
荒雄川のほとり」より 著者:佐左木俊郎
城、臥牛《がぎゅう》の城閣がこの丘の上に組まれ、当時の城閣を偲ばせる本丸の地形や城郭の跡が今でも残っている。 「栗駒おろし吹きなびく 臥牛城下に生をうけ 残....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
くりの建物が土壁のものに混って、堅く石垣の上に築かれている。中には高い三層の窓が城郭のように曇日に映じている。その建物の感じは、表側から見た暗い質素な暖簾と対照....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
外出も困難ではあったが、彼らは行装を整えて町を出、江戸城の関門を通り過ぎて第三の城郭に入り、そこで将軍|謁見の時の来るのを待ち合わせた。その間、彼らは雨に湿った....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
番太郎小屋もない。わずかに封建時代の形見のような木戸のみの残ったところもある。旧城郭の関門とも言うべき十五、六の見附、その外郭にめぐらしてあった十か所の関門も多....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
代のうちに溜め込んだ金銀、何万両、何千貫とも見当つかず、しかも蔵合の如く堂々たる城郭を構える事なく、近隣の左官屋、炭屋、紙屋の家と少しも変らず軒の低い古ぼけた住....
相対性原理側面観」より 著者:寺田寅彦
いかなる場合にもアインシュタインの相対性原理は、波打ちぎわに子供の築いた砂の城郭のような物ではない。狭く科学と限らず一般文化史上にひときわ目立って見える堅固....
生ける人形」より 著者:寺田寅彦
の世界の宝石であろう。そうして、西洋の芸術理論家は、こういうものの存在を拒絶した城郭にたてこもって、その城郭の中だけに通用する芸術論を構成し祖述し、それが東洋に....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
離散して行く感傷的な終末に「荒城の月」の伴奏を入れたのは大衆向きで結構であるが、城郭や帆船のカットバックが少しくど過ぎてかえって効果をそぐ恐れがありはしないか。....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
も求めようとしない。最も平和にして尋常に見ゆる者といえども、礼儀や形式等を一種の城郭として、そのなかに拠り、互いの利益の侵されざるかぎりにおいて、あまりに峻しき....
考城隍」より 著者:田中貢太郎
ってついていった。 その路はまだ一度も通ったことのない路であった。そして、ある城郭へいったが、そこは帝王のいる都のようであった。 しばらくして宋公は、唯ある....
光は影を」より 著者:岸田国士
にそむかぬ堂々たる構えの屋敷が、もうそこに見えていた。いくつかの土蔵をバックに、城郭のような白壁の塀をめぐらした長久保家の門の前に立つた時、彼は自分自身に言いき....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
談に不自由はしなかったのである。石坂家は、この地方では有数の豪農で豊かに生活し、城郭のような屋敷を構えていることも世間の思慕を惹いている理由であるに違いない。代....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
いう事は、神に対する誠意を披瀝する意味においていかがであろう。永代を期するこの大城郭の築造において、そんな所謂間に合せが行われたとは信ぜられない。昔の所謂人柱と....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
前はわずかに水野氏五万石の居城たるに過ぎなかったが、何しろもと最上氏五十七万石の城郭とて、規模すこぶる広大で、なかなか五万石や十万石の大名の持ち切れるものではな....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
しかもなお世人がもとエタと呼ばれたものを区別し、彼らまた往々にして自ら仲間同士の城郭に立て籠るという様な風のあるのは、全く多年の因襲の結果と、実際上彼らが世界の....