埠頭[語句情報] » 埠頭

「埠頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

埠頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
や瓦屋根《かわらやね》を積み上げた長沙は予想以上に見すぼらしかった。殊に狭苦しい埠頭《ふとう》のあたりは新しい赤煉瓦《あかれんが》の西洋家屋や葉柳《はやなぎ》な....
或る女」より 著者:有島武郎
としたものになっていた。木村は狂うような心をしいて押ししずめながら、船の着くのを埠頭《ふとう》に立って涙ぐみつつ待っているだろう。そう思いながら葉子の目は木村や....
或る女」より 著者:有島武郎
りがわ》の川口の所まで来着いていた。稲瀬川《いなせがわ》を渡る時、倉地は、横浜|埠頭《ふとう》で葉子にまつわる若者にしたように、葉子の上体を右手に軽々とかかえて....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
へ、満洲へ……。銀座に別れて満洲へ……。 それもまた、いいだろう! 折から、埠頭の方から、リリリリと号外売りの鈴の音が聞えてきた。私の眼底にはその号外の上に....
三人の双生児」より 著者:海野十三
ということだった。 妾は彼の再訪を幾度も懇願した上、名残惜しくも貞雄を東京湾の埠頭まで送ったのであった。 10 五ヶ月という日数は、妾にとってあま....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
二月五日 ◯空襲ハ昨四日、九十機ヲ以テ神戸ニ、十五機ヲ以テ三重県ニ行ナイシト。埠頭ヲ狙イ、南西部市街等ニ火災起リシ由ナリ。 二月十日 ◯本日は朝から敵機がち....
海底大陸」より 著者:海野十三
でがまんしなければならないだろうが、これで、もう五年も若ければ、人をおしのけても埠頭へいって見るんだがなあ」 ロンドン市民は、寝もやらず、ついに暁を舗道の上で....
火薬船」より 著者:海野十三
ったから、巨人ハルクのうでをかたにかけ、彼の巨体を、ひきずるようにして、どんどん埠頭の方へいそいだ。 やがて二人が近よったのはぷーんと異様な臭気のただよってい....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
も軽く海岸の方に進んで行きました。 川の中には白い帆艇が帆をいっぱいに張って、埠頭を目がけて走って来ましたが、舵の座にはだれもおりませんでした。おかあさんは花....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
趙白眼に売ってやったその日――真夜中過ぎに一つの大きな黒苫の船が趙屋敷の河添いの埠頭に著いた。この船は黒暗の中に揺られて来た。村人はぐっすり寝込んでいたので、皆....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
|新嘉坡に着いた。近藤事務長は土地の有志と計りて、事務長以下十数人、遺骸を奉じて埠頭を去る三|哩なるパセパンシャンの丘巓に仮の野辺送りをし、日本の在留僧釈梅仙を....
四十年前」より 著者:内田魯庵
の青年に歓呼された。尾崎はその時学堂を愕堂と改め、三日目に帝都を去るや直ちに横浜埠頭より乗船して渡欧の途に上った。その花々しい神速なる行動は真に政治小説中の快心....
大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
欧に際し猿股のことばかり考えて居て絵具箱を携帯する事を忘れて了ったと、私は神戸の埠頭に於て彼から直接聴いたのであるがそれは彼として決して不自然ではないらしい。「....
西航日録」より 著者:井上円了
のよく尽くすところにあらず。余、船中にありて「阜頭明月情如満、不照江山照我心」(埠頭の明月は満月のごとく、江山を照らさずしてわが心を照らす)とうそぶけり。十八日....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
とどむ。医師入り来たる。その身長七尺四寸ありて、豪州第一の巨人との評なり。十時、埠頭に着す。ブリズベーンよりここに至る海路、四百五十五マイルあり。領事館書記林忠....