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「執する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

執するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
《せいこく》を射抜いていましたら、影がK君を奪ったのです。しかし私はその直感を固執するのでありません。私自身にとってもその直感は参考にしか過ぎないのです。ほんと....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
二番目に同じことをいった人は馬鹿だ」とヴォルテールがいった。少くとも智的生活に固執する人は美人を花に譬える創意的なことはしない。然しそれを百合の花若しくは薔薇の....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
た女優を私はまだ見たことがないということである。 すなわち女優諸君が真に美貌に執するならば、そしておのれの持つ最も蠱惑的な美を発揮したいならば、むしろすすんで....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
云った。岩下、之を岩倉に告げたので、具視大いに決する所あり、土越二藩|尚前説を固執するならば、いかなる不測の変あらんも測られざるに至ったので、浅野|茂勲その間に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は、この際、何を忍んでも、外国事務局の設置を各国公使に認めさせ、いつまで排外を固執するものでないことを明らかにせねばならない。当時漢訳から来た言葉ではあるが、新....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て念仏申さるる人」よりも業の浅き人である。「何事も宿縁まかせ」にてこれをしいて固執することはできないけれども、身を聖潔に保ち得ることは望ましきことである。身にお....
愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
まいか。 すなわち一つは宇宙の生命の法則の見地から見て、かりのきめであって、固執すると無理があるということだ。も一つはたとい多少の無理を含んでいても、進化して....
新らしき文学」より 著者:坂口安吾
によって私の作品が判断されることを好まないばかりでなく、私の作品を、古い観念を固執する人々におしつけようとは決してしない。新らしい芸術は新らしい人々のために書か....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
っくるめて、一様の古語とし、その古語の中で、民族文芸の憧憬を含んだものを、特に愛執することを知ったのである。即、そこに思想と気分との深い融合を認め得たのである。....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
めぐる小説、といってもよい作物なのである。私にはどうも、気の多い癖に、又一つ事に執する癖がありすぎるようである。だが、そう言うてはうそになっている様である。 さ....
」より 著者:カフカフランツ
なずいて見せたりして自分をはげましてくれるあらゆる人びとにかわって、このことに固執する役目を引き受けたような恰好になっていった。ところが、その従僕はそんなことは....
変身」より 著者:カフカフランツ
ではなく、どうしてもなくてはならないソファは例外として、家具全体を片づけようと固執する十分な理由であった。妹がこうした要求をもち出すようになったのは、むろんただ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
もスペイン問題同様、面倒極まるものになりそうである。ある日、エセックスが、その固執する論題――対スペイン和平は屈辱なり――について一場の熱烈な演説を試みると、バ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の一門此道の宗匠なり。彼の家には、達者と数寄とをならぶるに、達者よりは数寄の人を執する由、故おとどは語り給ひしなり。 故おとどは宗良親王の外祖父大納言為世であ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
如々たる位置を守らしめるだけであります。もし一方に偏して、これを万病薬のように固執するならば、腫物が癒ってなお膏薬を貼っているようなものであります。そうかといっ....