執行猶予[語句情報] » 執行猶予

「執行猶予〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

執行猶予の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
実刑は課したでしょう。が、若杉裁判長は、罪を憎んで五年の懲役をいい渡すと同時に、執行猶予の恩典を付けることを忘れませんでした。この被告については、村の村長を筆頭....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
ンスの文豪ヴィクトル・ユーゴーは、「人間は死刑を宣告されている死刑囚だ。ただ無期執行猶予なのだ」といっていますが、たしかにそうです。無期執行猶予なのですから、い....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
この名誉のてんぼのお蔭で、弁護士がしきりにそれを力説しましてね、お蔭で二カ年間の執行猶予になりましたよ。」 彼は嬉しそうにしかし皮肉に笑いながらはいって来て、....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
三木哲学が批判され、マルクス主義哲学の本来の面目が世間に多少徹底した頃、彼は執行猶予によって出て来たが(この間約半年)、その頃から彼の転向は段々に目立つよう....
社会時評」より 著者:戸坂潤
される。それで不安な場合には、「司法保護司」というのがいて、起訴猶予、起訴留保、執行猶予、仮釈放などの犯人を、保護し監察する。併しもし万一、こうした保姆のような....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
遂に、永久の犯人と見立てられるのである。「思想犯保護観察法」がそれだ。思想犯人で執行猶予になった者や起訴留保になったもの、また刑を終った者や仮出獄した者、つまり....
赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
告は「無政府主義万歳!」を唱えて退廷した。婦人連のうち、二人は免訴となり、二人は執行猶予となった。 わたしは監獄に帰ってから考えた。二年ということになっちゃ、....
歯車」より 著者:芥川竜之介
家の焼ける前に家の価格に二倍する火災保険に加入していた。しかも偽証罪を犯した為に執行猶予中の体になっていた。けれども僕を不安にしたのは彼の自殺したことよりも僕の....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
たが、彼女の裁判はまだ決定しなかった。あとで聞くと、あくる年の四月になって、刑の執行猶予を申渡されて、無事に出獄したそうだ。裁判所の方でもいろいろの情状を酌量さ....
母たち」より 著者:小林多喜二
った。それで、第一審の判決は大体の想像では、みんな半年位ずつ減って、上田と大川は執行猶予になるだろうということだった。上田のお母アはすっかり喜んで、お前の母にも....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
やがて、与力に依って、判決文が、よみ上げられた。 笞刑などは、当時は、現代の執行猶予くらいの恩典だった。 が、隠徳の相と盗心の相とは、両立するものと見え、....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
でしほらしくアヤメ(Iris 属)の花が咲いているとこれまで通り通俗に解し裁判も執行猶予にしておけば、野暮にもならず物騒にもならずにすんで、やはりこの俚謡は情趣....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
レーの助命を切り出した。プラスビイユはアッと驚いた。 明日と確定した囚人の死刑執行猶予……大問題である、彼は余儀なく大統領に謁見を申込んで、真の連判状が手に入....
夜の構図」より 著者:織田作之助
「――あ、裁判ですか」 と、すぐ判ったらしく、信吉の煙草を借りながら、 「――執行猶予でした。山上さん(演劇集団の座長)が証人になってくれてね、例の朴訥な調子....
死者の権利」より 著者:浜尾四郎
上、被告人は社会的に立派に制裁を受けている。これ以上実刑を求める必要はない、是非執行猶予の言渡を附せられたいと主張したのでした。 一週間後に言渡がありました。....