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基因
「基因〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
基因の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
門の出馬するにいたったこの少年|誘拐《ゆうかい》事件の発端が、すなわちその故障に
基因していたのですが、すでに知らるるとおり、あれなる青まゆの女は、生まれが葉茶屋....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
察に基づいたものであろうということは考えやすいことである、また実際いかなる観察に
基因したかを推定することも困難でない場合がしばしばある。もっとも中には幾分偶然の....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
裕を得たことにも原因するが、より本質上の原因は、むしろ精神上での余裕を得たことに
基因する。若い時の生活が苦しいのは、物質上の不自由や行為の束縛にあるのでなく、実....
「惜別」より 著者:太宰治
の戦争は、人に依っていろいろの見方もあるであろうが、自分はこの戦争も支那の無力が
基因であると考えている。支那に自国統治の実力さえあったなら、こんどの戦争も起らな....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
天鵞に化けてこれを孕《はら》ませ二卵を産んだ。その一つから艶色無類でトロイ戦争の
基因たるヘレネー女、今一つから、カストルとポルクスてふ双生児が生まれたからだとあ....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
の文学的成功においても、破綻においても、全く当時としてのリアリストたり得たことの
基因であったと観るのである。 バルザックには「理想主義がなかった。彼が偉大な作....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
だろうか?――引用者注)、遂に日本の民族精神、国民道徳を発火点にまで冒涜したのに
基因いたします」と荒木貞夫大将は、そこで念のために弁解している(『全日本国民に告....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
せざる虚偽の通信といえども、必ずしも故意に然るにあらずして、しばしば力量の不足に
基因する。時が経つにつれて、幽明交通に関する智識は、次第にわれ等の掌裡に握られて....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
責任じゃあない……」 ――都市美術社の若い装飾工の墜死は、墜死者自身の不注意に
基因する! というのが居合せたすべての人々の到達した結論だ。彼が墜ちたのは二本の....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
また募集句も今度は一号の半分もあるまじと存候。それは題が少きと題がわるきとに
基因いたし候。その覚悟にて他の材料御あつめ可被成候。 鳴雪翁曰く校正行届きたる....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
事なり。こは甚だしく髷《まげ》の大形《おおがた》なるを好みしこの時代一般の風俗に
基因したるものにして決して画家一個人の企てに因りたるものとはいひがたし。されば寛....
「年譜」より 著者:原田義人
係をもち、のちに二度婚約して、二度とも解消している。カフカ独特の結婚観、男女観に
基因したものであろうが、彼はこの恋愛にすこぶる悩んだ。カフカがこの女性に書き送っ....
「夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
、今一つは風情というものの力が、どんなにうまく料理を工夫させるかを知らないからに
基因する。この風情とは、美的趣味と風流とが主になって働きかけ、まず見る眼を喜ばせ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
悪弊だな。だから肥厚性鼻炎の切開をすると肺や肋膜を悪くしたり、――それはどちらに
基因があるかわからないがね――感冒の薬を飲めば胃をこわしたりする。体内の各種の機....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
は何物もない。この背景のある句と背景のない句とは、前に言った作者の人生観の相違に
基因するように思われる。作者がシットリした人であるというと、つまらぬものを見る中....