基底[語句情報] » 基底

「基底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

基底の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
科学者と芸術家」より 著者:寺田寅彦
もしれないが、事実はそうでなければなるまい。いかなる空想的夢幻的の製作でも、その基底は鋭利な観察によって複雑な事象をその要素に分析する心の作用がなければなるまい....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
黒点上のガス体の密度が他所よりも大きいことによるのであろうが、しかしこれは黒点の基底の輻射層が、太陽の一体の光面の光を出す光球雲よりも低温だという証拠にはならな....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
んてのは素晴らしい自由思想じゃないか。わしは西洋の思想は、すべてキリストの精神を基底にして、或いはそれを敷衍し、或いはそれを卑近にし、或いはそれを懐疑し、人さま....
十五年間」より 著者:太宰治
んてのは素晴らしい自由思想じゃないか。わしは西洋の思想は、すべてキリストの精神を基底にして、或いはそれを敷衍し、或いはそれを卑近にし、或いはそれを懐疑し、人さま....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
見えるし抽象的とも見える処の、この風俗という特有な社会現象は、どうも社会の物質的基底とその上部という普通の社会科学的段階づけの内には、いきなり適当な位置を発見出....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
転している。そうして、おしべはと見るとどこへ行ったかわからない。よく見ると子房の基底部にまっ黒くひからびた虫の糞のようなものがある。それが役目を果たしたおしべの....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
イデオロギーだ、と一般的にまず規定しておいてよい。 処で社会の全構築に於て、今基底にあると云ったものは、単にマルクス主義に依ってばかりではなく、何かの意味で物....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
うに生物個体から区別された生命現象であった。 云うまでもなく生命現象は生活体を基底(Lebenssubstanz)として初めて成立出来るには違いない。併し、生....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ならないが、問題は、そういう特別にオフィシャルな形を取った、或いは取り得た、当の基底が何か、ということにあるので、夫は社会の一方に於ける通念というようなものなの....
辞典」より 著者:戸坂潤
地の報告と歴史的検討とによって実証的な研究を行ったのであるが、併しこれ等の研究の基底に横たわる哲学的省察自身に就いては、その文献学的態度を別にすれば、必ずしも実....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
消極的な焦躁として私達の目に映る。大新聞以外の出版資本は、他産業にくらべて資本の基底が浅く、無名または風変りの作家を売り出して、大損か大もうけかのカケを試みる冒....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
ゴブランの幕下りている。プロセニウムにはボエックリンの半身像円柱の上に立つ。その基底には草花と花の小枝とを盛ったる籠。 シンフォニイの最後の拍子に連れて、序曲を....
哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
何を感じようと、いつもその上に立ち、いつもその下に帰着するような、そういう心理の基底部がこの世界観だ。思想はたしかに、こういう世界観の底部を持つ。 だが思想に....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
千載集』が中世の和歌文学の第一頁を飾るのは、『古今集』伝統を新しく中世の「詩」の基底にたたき込んだからである。 註 俊成のことは『大日本史料』の俊成薨去年月日の....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
は感覚と情感と追憶と憧憬――日常生活を養っているこれらの要素。それらを超えて魂の基底。――それはベートーヴェンに関する最良の文献学者(私は、ベートーヴェン音楽に....