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「基点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

基点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
進んで、飛去来器特有の弧線飛行を―殊に復路の大きな弧線―を考えると、杏丸氏の室を基点とする容易い解釈が、実に誤った、皮相な観察に過ぎない事が判るのです」 それ....
こころ」より 著者:夏目漱石
ていた。それでいて明らかに私の神経を震《ふる》わせた。 私は先生のこの人生観の基点に、或《あ》る強烈な恋愛事件を仮定してみた。(無論先生と奥さんとの間に起った....
行人」より 著者:夏目漱石
《つた》って、筋を離れないように進む事にしましょう。 我々は始め逗子《ずし》を基点として出発する事に相談をきめていました。ところがその朝新橋へ駆《か》けつける....
軍用鮫」より 著者:海野十三
見えたが、実はそれほどでもない。すべて物を考えるには、推理の入口というか、思索の基点というか、とにかく一種のキャタライザーが入用なのである。このキャタ公が都合よ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
い物体が自分自身で輻射する熱量はその物体の絶対温度(すなわち、摂氏零下二七三度を基点として数えた温度)の四乗に比例する。また後者の法則はこのような物体の出す全体....
河明り」より 著者:岡本かの子
かだか台湾の基隆か、せめて香港程度までであろうと予想していた。そこなら南洋行きの基点ではあり、双方好都合である。新嘉坡となると、ちょっと外遊するぐらいの心支度を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を知る法水には、一見|莫迦気て見える蒐集家の神経を頷くことが出来た。廊下はそこを基点に左右へ伸びていた。一劃ごとに扉が附いているので、その間は隧道のような暗さで....
海底都市」より 著者:海野十三
高いところです。ほら、この標柱《ひょうちゅう》をごらんなさい。『スミレ地区|深度基点《しんどきてん》〇メートル』と書いてあるでしょう」 そういってタクマ少年は....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
渦を沢山こしらえる。渦と渦と抱き合ってぴちょんぴちょんと音を立てる。「中の島」の基点になるポン・ド・グルネルの橋の突き出しに立っている自由の女神の銅像が炎天に※....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ハ、じよん・すみすガぷりまうすト命名セシ港ニ入レリ。コレ即チ清教徒ガ新世界上陸ノ基点ニシテ、世界殖民ノ歴史ニ異彩ヲ放テルぷりまうすノ事業モまた茲《ここ》ニ始ル」....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ラックとがすべてを指揮していた。そして今や二つの防寨《ぼうさい》が、コラント亭を基点として直角をなすように同時に築かれていた。大きい方はシャンヴルリー街をふさぎ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、真の自覚が生まれてくる。自覚したる天才が、新たな未来を開拓せんとする時、現在を基点として一大転向を企図せんとする時、過去と全体とは彼の槓桿《こうかん》の上にの....
椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
よ。」 「そうです。すべてが循環論法で進んでゆきますから、そのどこかに終止符を、基点を据えなければなりません。私は指導のところに基点を置きます。それだけの誇りを....
学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
を聞かず。今日の小学教育終了者にして全国鉄道重要駅を枚挙し得る者、その所在町村を基点として県内旅行の順序日程を定め得る者果して幾何ぞ。国史上の大人物はこれを暗記....
文化線の低下」より 著者:小川未明
ければならない。そうした認識と批判とを没しさせる、最大な原因は、今日の資本主義に基点を置く、ヂャナリズムの然らしめることです。この悪い風潮は黙々として、自己の生....