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堂に入る
「堂に入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堂に入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
あと》に随《つ》いて、継子といっしょに、二階の片隅《かたすみ》にある奥行の深い食
堂に入るべく席を立ったのは、それから小一時間|後《のち》であった。彼女は自分と肩....
「野分」より 著者:夏目漱石
うきも》の漣《さざなみ》に靡《なび》くがごとく、実用以上の活動を示している。この
堂に入るものは実用以上に余裕のある人でなくてはならぬ。 自分の活動は食うか食わ....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
分が今どうすればいゝかを忘れたように、あやふやな様子をした。――実は、彼はこの食
堂に入るまで一つの明るい期待にさせていた。「金融資本家」に完全に牛耳られて、没落....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
に仲よし、ね。親子のようにやっています」 ナースチャは、つっ立ったまま二人が食
堂に入るのを見送り、肩をしゃくり、台所へ戻った。男の水のように冷たくて、ねばっこ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の迷いとがあるべきはずだと思う。どうしてそうやすやすと市街を歩いてる人がふと教会
堂に入るように信仰生活に入ることができるのであろうか。私はどうしても理解すること....
「海底都市」より 著者:海野十三
のは、でたら目すぎるではないか」 「いや、そんなことはありません。私たちはこの食
堂に入る前に、ちゃんと健康状態を調べられたんだから、まちがった料理をたべさせられ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
。鳥は鳩や鴉の外に雀も縁側へ舞いこんだりした。それもまた僕には愉快だった。「喜雀
堂に入る」――僕はペンを持ったまま、その度にこんな言葉を思い出した。 或生暖か....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
は思う、彼女はこの後ますます若くなるであろうという事を。そして彼女の芸はますます
堂に入るであろうということを。 呂昇の日常は、恒《つね》におだやかなものである....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
も気が浮立たない。 そのうちに食卓開始の合図の鐘が鳴って、一同の後につづいて食
堂に入ると、食卓《ターブル》の上には銀の肉刺《ハーカ》や匙《レーブル》が美しく置....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
その中庭に居るのです。その広庭を過ぎて正門すなわち西の方にある本堂中のいわゆる本
堂に入る。この一体は皆本堂ですけれどもここに本尊様を祀ってありますから、仮に本堂....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
本堂の内側、長さ五十三間、幅二十九間にして、九千人をいるるに足るという。余のこの
堂に入るや、まさしく読経最中にして、僧侶十七人列座して読経す。しかして参詣人わず....