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堂上方
「堂上方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堂上方の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
苗字を名宣《なの》るようになった。 久能の出入り先で今大路《いまおおじ》という
堂上方《どうじょうがた》の家に綾姫《あやひめ》という小鼓に堪能な美人がいた。この....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れを操ってゆくことにした。まだその上にも世間の信仰を増すことをかんがえて、かれは
堂上方の消息に通じているのを幸いに、都合よく云いこしらえてお万を冷泉の息女である....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の山吹社中の懇望だったのである。平田家では非常に迷惑がったともいう。天朝かまたは
堂上方の内より御所望のあるために山吹の方へ譲らないなぞとは、とんでもない人の言い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せぬ。とは言え、これも身から出た錆《さび》で、誰をお怨み申そう様もない。お家には
堂上方からおいでになった立派な奥方様を持ちながら、あんな女芸人上りの身分違いの女....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
精物でございましょうか。」 「いや、精物というは、潔《きよ》きものという意です。
堂上方が、初春慶賀のため御下向なさる。たとえ精進日であっても、江戸お着の当日は必....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
てしまいますと、最近、一二代の間に出来た町家風の習性をケロリと忘れて、先祖代々の
堂上方の気風を、そのままにあらわしているので御座います。
……ハイ……御質問で....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
見ても街の女としか思えない。 老伯爵は眼を剥いた。眼を剥く筈だ。花嫁が淫売姿で
堂上方へ乗込むなんて手は開闢以来なのだから……。 「アハハハハ成る程。これじゃイ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことに耳をふさぎたがっていた駒井。わかれて後の妻が若い小姓の誰かれを愛したとか、
堂上方のあるさむらいを始終ひきつけていたとか、京都へいった後、ずんと年上な、評判....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
《うたのかみ》が代理として御礼に上京することになったが、酒井の屋敷は手狭なので、
堂上方はじめの訪問を受けるには不便とあって、我藩の屋敷を借りたいと申込まれ、承知....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
聞エ、重科ノ者ニ付死罪|申付ベキ者ニ候|処、大弐、右門|企ノ儀ハ、兵学雑談、或ハ
堂上方ノ儀、其外恐入候不敬ノ雑談|申散候ハ、其方共|申立ヨリ相知レ候、大弐ハ死罪....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ゃぞ。――今の世の中で狡い人間は坊主、賢い者は町人、強い者は武家、おろかしき者は
堂上方。……アハハハ、そじゃないか」
「そじゃ、そじゃ」
「好きなこともよう出来....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
一歩と踏む足には力をこめたが、胸底の憂暗、かれの横顔をおそろしく青くみせた。 「
堂上方を中心として、竹内式部、山県大弐、そのほか西国の諸侯数家、連判をなし血誓の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
つの事件が起こった。長沢町の柳荘堂山県大弐、三千人の門下を擁して、ひそかに、京の
堂上方、阿波の蜂須賀、宇治の竹内式部などと気脈を通じて、ある大事を着々とすすめて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「む」 「ここの大局では、戦場の規模、戦いのかけひき、雲泥のちがいです。すべて
堂上方のみでなく、世上の武士も、ちと楠木の名を買いかぶッてはおる。どう見ても義助....