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「堅木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

堅木の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
くらまえ》まで来た。するとやっとの事で尋ねる商売の家《うち》が一軒あった。細長い堅木の厚板に、身の上判断と割書《わりがき》をした下に、文銭占《ぶんせんうら》ない....
道草」より 著者:夏目漱石
ートで勇ましく官邸の石門《せきもん》を出て行く細君の父の姿を鮮やかに思い浮べた。堅木《かたぎ》を久《きゅう》の字《じ》形《がた》に切り組んで作ったその玄関の床《....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
ても、上の釘一本をありに打ちせえすりゃア留の離れる気遣えは無いというのだ……杉の堅木か」 兼「まア堅気だ、道楽をしねえから」 清「大きいもんか」 兼「私よ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
所でつかっていたテーブル。『中條精一郎』の扉についていた写真、あのテーブルです。堅木のごくあり来りのテーブルに右手へ小さい張り出しをつけてあります、折畳式の。そ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
夜が来て 今は半ば目の見えない妻である私が 少し疲れを覚え 部屋の片隅の堅木《かたぎ》の卓の上に 灯をともす。 焔は暖く 橙色。 憩っていると手の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てゆくには、ちいと力が不足して生れついていると思います。勇気が足りないのか、頭の堅木《カタギ》のように美しい木目が荒いのか、ともかく残念ながら、私に出来ることは....
カストリ社事件」より 著者:坂口安吾
たのは、一番年の若い、然し、さすがに銀行員上りの、一同の中で一番物の道理の分った堅木という会計係であった。 「カストリ社の運命や、いかに」 「うん、まったくだ。....
食道楽」より 著者:村井弦斎
《あた》っても美味く出来ません。軟《やわらか》い木の薪《たきぎ》で炊いたものより堅木《かたぎ》の方が良く出来ます。それに水車で搗《つ》いたお米は水分を含んでいて....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ものであった。春中の女の仕事で、その製法は藤の皮を剥ぎ、水に浸すこと四五日の後、堅木の灰を加えて暫く煮て、川に出して晒し且つ扱くことは、麻の通りであるとも述べて....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
岩戸町の電車通りにある竹中一軒位のものだ。以前古本専門で、原書類が多いので神田の堅木屋などと並び称せられていた武田芳進堂は、その後次第に様子が変って今ではすっか....