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「堅炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

堅炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
影響も生じないようだ。御三は突然膝をついて、揚げ板を一枚はね除《の》けて、中から堅炭の四寸ばかり長いのを一本つかみ出した。それからその長い奴を七輪《しちりん》の....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
って来て、惜し気もなく銅の大火鉢へ打ちまけたが、またおびただしい。青い火さきが、堅炭を搦んで、真赤に※って、窓に沁み入る山颪はさっと冴える。三階にこの火の勢いは....
空襲警報」より 著者:海野十三
炭にすれば一番いいのだが今はそんな余裕もないから……」 といいながら小さくした堅炭をドンドン中へつめこんだ。そしてまた底の方をすこしすかせ、綿を三枚ほど重ねて....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と、鉛筆を軽く紙片に走らせた。 この会計だが、この分では、物価|騰昇寒さの砌、堅炭三俵が処と観念の臍を固めたのに、 「おうう、こんな事で。……光栄です。」 「....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
んとに一片何銭に当くだろう。まるでお銭を涼炉で燃しているようなものサ。土竈だって堅炭だって悉な去年の倍と言っても可い位だからね」とお徳は嘆息まじりに「真実にやり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ザマは何だ」 と言いながら、箸をおいて火箸を取ると、鍋の下にカンカンおこっている堅炭の火を一つハサんで、いきなり、それを一番前へ乗り出していた膝ッ小僧へ、ジリリ....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
炭は、土蔵《くら》の縁の下にも住居《すまい》の下にも、湿《し》けないようにと堅炭《かたずみ》が一ぱい入れてあるといった家《うち》で、浜子一代は、どんなことが....
回想録」より 著者:高村光太郎
秘法を教わった。例えば真赤におこっている炭火を素手に載せて揉み消すことが出来た。堅炭のような強い火ほどいいのである。小学校には昔は炭火をおこして居たので、先生な....
恐ろしい東京」より 著者:夢野久作
れまいと心に誓った。 銀座の夜店で机の上にボール箱を二つ並べて、一方から一方へ堅炭を鉄の鋏で移している。一方が空になると又一パイになっているボール箱の方から一....
お茶の湯満腹談」より 著者:夢野久作
が主人公の益田男爵にソックリである。 土間は真中に新しい黒い藁灰を入れて巨大な堅炭が三角の井桁に重なり合ったまま起っている。煤けた天井からは勿論、真黒な自在鍵....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ろうという日のことであった。 打傾いたり、首垂れたり、溜息をしたり、咳いたり、堅炭を埋けた大火鉢に崩折れて凭れたり、そうかと思うと欠伸をする、老若の患者、薬取....
食道楽」より 著者:村井弦斎
灰を折々取かえなければならん。中へ用ゆる炭は極《ご》く堅い大きなのがよい。大きな堅炭《かたずみ》を七厘でカンカン起して火鉢の真中《まんなか》へ入れてまだ黒い部分....
食道楽」より 著者:村井弦斎
えなすって御覧なさい。豚の次は牛の舌の寄せ物に致しましょう」 ○テンピの炭に堅炭を用いて差支はなけれどもそれは肉類を焼く時に限る。菓子を焼く時は土釜の如き柔....