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堕胎
「堕胎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堕胎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。薬をこしらえおったのは、おばばじゃ。わしの知った事ではない。」
「薬? では、
堕胎薬《おろしぐすり》だな。いくら阿呆でも、いやがる者をつかまえて、非道な事をす....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
し、何の噂も聞きませんでしたから……」 「ことによるとこりゃあ、その娘の子だぜ。
堕胎をしてそれを隠匿したのか、でなければ、産むとすぐそれを殺してしまったのか」 ....
「振動魔」より 著者:海野十三
れを考えて、僕は愛していて下さるのだったら、僕の言うことを聞きいれて、この簡単な
堕胎手術をうけて下さい」 「何度おっしゃっても無駄よ、あたしはもう決心しているの....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
危険に瀕してもいないのに、人工流産を施すと、その医者は無論のこと、患者も共ども、
堕胎罪として、起訴されなければならない。 さて、その若い女の全身に亙って、精密....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
はだんだんと隠せない程、変ってくる。とうとう仕方なしに、胎の子には罪なことだが、
堕胎をすることに決心をした。若い男は、
堕胎道具と、薬品を、さるところで手に入れて....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
がま懐妊したによって何時か家内の耳に入ると、悋気深い本妻が騒ぐから、知れぬうちに
堕胎してしまおうと薬を飲ますと、ま宜い塩梅に堕りましたが、其の薬の余毒のため妾は....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
、勿論ごく内々で何の世話もなく手術をしてくれる。しかし貧乏人にはそうは行かない。
堕胎はフランスでは重罪だ。が、こんど、それを軽罪にしたかするとかいう話を、四、五....
「中庸」より 著者:坂口安吾
「あなたは昨日小学校へ行きましたね。女の先生と差し向いで何をしてきましたか。あの
堕胎先生と」 彼は思いがけない見幕で詰め寄った。余には理由がのみこめないから、....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
人は、宿賃と治療費、それに慰藉料まで請求するという。それからまた、ある淫奔な娘を
堕胎の嫌疑で取調べると、助産婦と結託しているのでなかなか真相がつかめない。密告に....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
らなんです。ねえロンネ君、幡江は君の種を宿していたのだ。そして、今夜を限り、君が
堕胎させようとしたその子は、闇から闇に葬られてしまったのだよ」 法水の意表に絶....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ないよ、伊之さんの顔を潰すような事はしないから、安心して養生をしな」 と云うは
堕胎薬などを飲んで身体に中るような事が有ってはならんから、産み落した暁には伊之助....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
な原因は、世間体を憚るという虚栄心と、生活難から来る人口増加の制限とに起因した、
堕胎とまびきなものであった。したがって今でも僻陬の地には、生児制限の弊風が往々に....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
時代にはほとんど増加しなかったのであった。これは一に一般民衆の生活が困難であり、
堕胎、間引き等による人口調節が盛んに行われた為にほかならぬ。これは幕府が鎖国主義....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
も救いとって往生せしめるという一向宗の信徒となったがために、この宗旨の教導から、
堕胎や間引きをしなかったという理由もありましょう。ともかく世間の人口が増さぬ間に....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
って人口が盛んに増殖する。一般世間の百姓、町人らは、生活が困難でありましたから、
堕胎間引きの悪風が盛んに行われて、一向に人口が増さなかった間に、彼らのみは盛んに....