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堙
「堙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堙の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たが、男の死骸以外にはなんの新らしい発見もないらしかった。くずれた雪はその証跡を
堙滅せんとするかのように次第々々に消え失せて、いたずらに泥水となって流れ去った。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れ難い恩人であった。その人々も今は大かた此の世にいないであろう。その書物も次第に
堙滅して、今は古本屋の店頭にもその形をとどめなくなった。私もその翻刻書類を随分蒐....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
シヒシと私を縛り付け初めたので……。 「……貴方は最早、それで十分に犯罪の痕跡を
堙滅したと思っていられるかも知れませんが……しかし……もし……万が一にも私が、あ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ども疑わずにいられない。甲はこういう。 「これは同志会すなわち役場派の者が証拠を
堙滅させるために放火したのである」 乙はこういう。 「役場反対派すなわち立憲党....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
えしもののすごい顔つきをしながら、もはやただあるがままの姿をしか保たない。現実と
堙滅《いんめつ》とのみである。そこでは、壜《びん》の底は泥酔を告白し、籠《かご》....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
って来て、大至急後始末をし、血だらけの寝具やベッドを片附け、焼く物は焼いて証拠を
堙滅すると、即座にこっそり家を空けてけろりとしていたものだ。桑港とサン・マテオに....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
守の名は今なお米国において記録に存し、また古老の記憶する処にして、我海軍の歴史に
堙没すべからざるものなり。 当時、諭吉は旧中津藩の士族にして、夙に洋学に志し江....
「犠牲者」より 著者:平林初之輔
釈にも動かし難い真理があるように思う。しかし、私の解釈の証拠は浅野が死んだ以上|
堙滅《いんめつ》してしまっている。瀬川の解釈は自然を証人にたてるよりほかには法廷....
「読書雑感」より 著者:岡本綺堂
れ難い恩人であった。その人々も今は大かたこの世にいないであろう。その書物も次第に
堙滅して、今は古本屋の店頭にもその形をとどめなくなった。わたしもその飜刻書類を随....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
れだけの三尊を安置した寺は相当に立派な寺といわなくてはならないが、その寺がまるで
堙滅してわからなくなっているというのもどういうわけであろうか。この三尊はこの謎の....