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堪
「堪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
惚《うぬぼ》れの一つだったかも知れない。」
こういう不安は、彼の上に、何よりも
堪えがたい、落莫《らくばく》たる孤独の情をもたらした。彼は彼の尊敬する和漢の天才....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
時分である。
「僕はそいつを見せつけられた時には、実際|今昔《こんじゃく》の感に
堪えなかったね。――」
藤井は面白そうに弁じ続けた。
「医科の和田といった日に....
「影」より 著者:芥川竜之介
た薄暗がりのどこかに、潜《ひそ》んでいるような心もちがした。しかし以前よりさらに
堪えられない事には、今度はその何物かの眼が、窓を後にした房子の顔へ、まともに視線....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ろかったものですから、つい調子に乗って悪戯《いたずら》をしたのです。どうか旦那も
堪忍《かんにん》してください。」
三
僕はこの先を話す前にちょっと河童とい....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
さされはしないかと云う、懸念《けねん》も満更ないではなかった。が、それにも増して
堪え難かったのは、念友《ねんゆう》の求馬を唯一人|甚太夫《じんだゆう》に託すと云....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
え断《き》れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数《にんず》の重みに
堪える事が出来ましょう。もし万一途中で断《き》れたと致しましたら、折角ここへまで....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
と神父を見守っている。その眼には憐《あわれ》みを乞う色もなければ、気づかわしさに
堪えぬけはいもない。ただほとんど頑《かたく》なに近い静かさを示しているばかりであ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
それから?
保吉 それから一週間ばかりたった後《のち》、妙子はとうとう苦しさに
堪え兼ね、自殺をしようと決心するのです。が、ちょうど妊娠《にんしん》しているため....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
危険に遭遇《そうぐう》した。それを一々|枚挙《まいきょ》するのはとうていわたしの
堪《た》えるところではない。が、半三郎の日記の中でも最もわたしを驚かせたのは下《....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
い声を出しました。 「計略は駄目だったわ。つい私が眠ってしまったものだから、――
堪忍して頂戴よ」 「計略が露顕したのは、あなたのせいじゃありませんよ。あなたは私....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
多情の久米の愛すべきことは誰でも云う。が、私は殊に、如何なる悲しみをもおのずから
堪える、あわれにも勇ましい久米正雄をば、こよなく嬉しく思うものである。 この久....
「狂女」より 著者:秋田滋
。 「奥さんは起きるのがお厭なんです。旦那、起きるのは厭だと仰有るんです。どうぞ
堪忍してあげて下さい。奥さんは、嘘でもなんでもございません、それはそれはお可哀相....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
。途ゆく女の姿、街の眺め、自分の棲んでいる場所、――何からなにまで私には嬉しくて
堪らなかった。私はまた自分の身につける洋服のかたちにさえ興味をもっていた。だが、....
「初雪」より 著者:秋田滋
ちに、いつしか、つめたく冷え切ってしまったように思われるのだった。彼女はとうとう
堪りかねて、ある晩、良人に頼んでみた。 「ねえ、あなた。ここの家はどうしても煖房....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
さてこれよりよき学校を聞き合せ申すべし、あなたにも心掛けたまえ、それ迄は狭くとも
堪てここに居りたまえ」と頼もしく言われたり。この家は裏家なれど清く住なし何業とは....