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「堪能〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

堪能の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
誇りたいのは我我の持っていないものだけである。実例。――Tは独逸語《ドイツご》に堪能《たんのう》だった。が、彼の机上にあるのはいつも英語の本ばかりだった。 ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ま》だにあらば一躍して乗っ越さんと、睨《にら》み合いつつ推し行くさまは、この道|堪能《かんのう》の達者と覚しく、いと頼もしく見えたりき。 されども危急の際この....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
なっての高話じゃ。 長十郎 藤十郎の紙衣姿《かみこすがた》も、毎年見ると、少しは堪能し過ぎると、悪口をいいくさった公卿衆《くげしゅ》だちも、今度の新しい狂言には....
食魔」より 著者:岡本かの子
大根卸しの壺に差出したが、ついに煮大根の鉢にはつけなかった。 食い終って一通り堪能したと見え、彼は焜炉の口を閉じはじめて霰の庭を眺め遣った。 あまり酒に強く....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ものか、この人が最も熱心な狂訓亭崇拝者になり切ってしまって、読んでいるばかりでは堪能が出来なくなったとみえて、わざ/\薄葉の紙を買って来て、それを人情本所謂小本....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ので、房枝は、どんなにか、なぐさめられているのでございますわ。奥様は、手芸にも御堪能なのですわねえ。ああ、おそばに毎日おいていただいて、奥様から手芸をおしえてい....
火薬船」より 著者:海野十三
あがった。 「帝国海軍は、作戦上の必要により、ここに本船を臨検する」 中国語に堪能な岸隊長は、船員たちのかおをぐっとにらみつけながら、流暢な言葉で、臨検の挨拶....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
づかれるな。俺の硝子入替えの腕前をそこで見物しとれ」 「上官は硝子の入替えにも御堪能でありますか。私はおどろきました」 「うふ、――」 川上機関大尉は、杉田の....
小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
とか何とか考えていそうに見えるのである。 序ながら書き加えるが、小杉氏は詩にも堪能である。が、何でも五言絶句ばかりが、総計十首か十五首しかない。その点は僕によ....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
驚する彼に、黒鉛の弾を明かして、どうだ、一番芝居をやろうじゃないか。あの利得金で堪能するためには、まず船場四郎太を戸籍から抹消する必要がある。そこで、告白の遺書....
作画について」より 著者:上村松園
私の母はすべての点で器用なひとでありましたが、書画もよくし、裁縫などにもなかなか堪能で、私は今でも母が縫われた着物や羽織などを大切にしまって持っております。 ....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
は幾度見たか数えられぬ程じゃ。去年の弥生狂言も慥か伊左衛門じゃ。もう伊左衛門には堪能いたしておるわ。それに比ぶれば、七三郎どのの巴之丞は、都にて初ての狂言じゃ。....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
において自分は、問題の牛蒡種は護法胤ではあるまいかと思うのである。 土俗の学に堪能なる柳田國男君はかつて郷土研究(二の六、四一頁)に護法童子の事を論じて、作陽....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
歌うがめでたきなり。歌女駒(人名)が歌其様なり。 とある。すなわち歌をうたうに堪能な遊女であったのである。この頃にあっては松屋筆記に既に注意してある如く、傀儡....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
かけられ、運動遊戯を好まれ、詩会を催され、連歌の会を行われ、ことに各種の遊戯は御堪能であられた。そのことは『後鳥羽院|宸記』を拝見すればよく分るのである。その道....