堰を切ったよう[語句情報] »
堰を切ったよう
「堰を切ったよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堰を切ったようの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
う。しかし、その精神の諦観的な美しさには、野心も反抗も憤怒も血気も、いっさいが、
堰を切ったように押し流されてしまうのだ。ところが貴方は、それに慚愧と処罰としか描....
「道づれ」より 著者:宮本百合子
らしい様子であった。体が箪笥の環にぶつかった音がして、 「いや! いやったら!」
堰を切ったように幸子の甲高な声が涙に溺れて店まで響いた。 「こんな家みられて……....
「組合旗を折る」より 著者:永崎貢
れて飛んだ。支部長の顔にさっと血が流れた。 それを見た瞬間、各職場の従業員達は
堰を切ったように歓声を挙げて空地に雪崩れ出た。 旗の柄は三つに折れ、支部長は頭....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
隠れ名していた服部治郎左衛門どのと、卯木さまでございましょうがな」 夫婦は胸の
堰を切ったように、にじり出て。 「おおようお忘れなく。……私は治郎左衛門元成、こ....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
鰯船へは、まだ八の帰って来た様子もない。 夜が明けると―― つかえていた芥が
堰を切ったように、われがちに、河番所の柵へ船が殺到した。 「喧ましいっ」 「鎮ま....