»
報いる
「報いる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
報いるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
そう思いながら、うっとり空へ眼をあげた。そうして今夜は人後に落ちず、将軍の握手に
報いるため、肉弾になろうと決心した。……
その夜《よ》の八時何分か過ぎ、手擲弾....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
」だのを読みかじったのは、西川なしにはできなかったであろう。が、僕は西川には何も
報いることはできなかった。もし何か報いたとすれば、それはただ足がらをすくって西川....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
志子の胸は悲憤に炎えていた。何を思うひまも行なう間もなかった。「惨酷なその強制に
報いるためには?」という問題ばかりが彼女の頭の中にたった一つはっきりした、一番は....
「瘤」より 著者:犬田卯
一 中地村長が胃癌という余りありがたくもない病気で亡くなったあと、二年間村長は置かぬという理由で、同村長の生前の功労に
報いる意味の金一千円也の香料を村から贈った直後――まだやっとそれから一ヵ月たつか....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
でしょうか。もし願えればあなたの仕事もわかっていることだし、手助けでもしてご恩に
報いることもできると思っています。聞けばあすおたちのそうだが、ひとつ連れて帰って....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
醤が毒瓦斯発明院に対して肩の入れ方は、非常なものだった。燻精は、彼の信頼に十分|
報いることが出来ようと自信たっぷりだった。 発明院長に燻精が就任して、百三十五....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
あるから、自分も騒がず、人をも驚かさず、何事も知らぬ顔をして過すのが、一夜の恩に
報いるゆえんではあるまいか。こう思い直して叔父はまた坐った。 僧はどこへ行って....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いわたしを殺して、その肉を士卒に食わせるような無残な事をなぜなされた。その恨みを
報いるために、わたしは十三代もあなたを付け狙っていましたが、何分にもあなたは代々....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことにして、主人も特別に眼をかけて使っていた。和泉屋に子が無いので、番頭の忠義に
報いるために、或いはこの幾次郎を養子にするのでは無いかと云う者もあったが、その想....
「雨」より 著者:織田作之助
貌に眼をつけた上級の荒男が無気味な媚で近づいて来るのを見ると、かえってその愛情に
報いる方法を知らぬ奇妙な困惑に陥るのだった。 ずっと首席を続けて三年生になった....
「雨」より 著者:織田作之助
落着いた。美貌に眼をつけた上級生が無気味な媚で近寄ってくると、かえってその愛情に
報いる方法を知らぬ奇妙な困惑に陥った。 ずっと首席を続けて三年生になった。ある....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ち着いた。美貌に眼をつけた上級生が無気味な媚で近寄って来ると、かえってその愛情に
報いる術を知らぬ奇妙な困惑に陥るのだった。 三年生の終り頃、ローマ字を書いた名....
「旅への誘い」より 著者:織田作之助
う道子にとっては、自分の若さや青春を捨てて異境に働き、異境に死ぬよりほかに、姉に
報いる道はないと思われた。 「お姉さまもきっと喜んで下さるわ。」 南方で日本語....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
刑事は事情をきいて、釈然とした。それにガマンの針助をつかまえたという小沢の功労に
報いるには、小沢の願いをきき入れてやるのが何よりだと思った。 夜の女であったと....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
と思う。 芥川が、「文藝春秋」に尽してくれた好意は感謝のほかはない。その好意に
報いるため、また永久にこの人を記念したいから、「侏儒の言葉」欄は、死後も本誌のつ....