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「報ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

報ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
》っていますが、――時々和漢の故事を引いて、親子の恩愛を忘れぬ事が、即ち仏恩をも報ずる所以《ゆえん》だ、と懇《ねんごろ》に話して聞かせたそうです。が、説教日は度....
出帆」より 著者:芥川竜之介
わけである。 そのうちに、久米と松岡とが、日本の文壇の状況を、活字にして、君に報ずるそうだ。僕もまた近々に、何か書くことがあるかもしれない。 (大正五年九月)....
片信」より 著者:有島武郎
それを見る機会を持たなかった。 そこでこれらの数氏の所説に対する僕の感じを兄に報ずることになるのだが、それは兄にはたいして興味のある問題ではないかもしれない。....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
反側している様子だった。こうして時計は、いく度か同じ空間を廻ってやがて午後二時を報ずるボーン、ボーンという眠そうな音が階下からきこえて来た。それがキッカケでもあ....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
がそれから簡単に僕に送って来た信号の文句は僕を一層驚かせました。彼は祖国の危険を報ずることが出来て大変嬉しいこと、尚これから先も敵国人の行動を報告すべき一層重大....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
々しさに満ちていたがためでしょう。 赤耀館の大時計がにぶい音響をたてて、四時を報ずると、兄の居間にあたって突然奇妙な声がきこえ、それに続いて瀬戸物のこわれるよ....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
は密雲のためか……』などと書きたてられたあの事件なのだ。海軍当局の調査も、新聞の報ずるところとは大した相違がなかった。無論、現場付近にいた唯一の人間である儂は、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たずさえているのである。 「わたくしの父は罪なくして郡守に殺されました。その仇を報ずるために、城中に入り込んで数年を送りましたが、今や本意を遂げました。ここに長....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
から、考えたんだよ。 (――これ皆、中洲を伺い、三崎町を覗く、荷高似内の見聞して報ずるところさ。) ところで、青麟――青麟と中洲の関係は、はじめ、ただ、貸本屋....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の中に、遠く山を隔てた隣国の都と思うあたり、馳違う人の跫音、ものの響、洪水の急を報ずる乱調の湿った太鼓、人の叫声などがひとしきりひとしきり聞えるのを、奈落の底で....
三枚続」より 著者:泉鏡花
くれて、ほとんど名状すべからざるありさまに変ずるがごとく見て取った。 鶏鳴暁を報ずる時、夜のさまが東雲にうつり行く状は、いつもこれに変らぬのであるけれども、月....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
、その刻限は恰かもその向うに見ゆる学士会院の屋上に聳えている時計台の時計が二時を報ずる所謂丑満刻で、こういうことは東西その軌を一にするのかも知れぬが、私も六十六....
迷信解」より 著者:井上円了
有し讐敵となるものは、死後も同様に考え、冥土に入りてそのうらみをむくい、その仇を報ずることと信じておる。あるいは死したる後のみならず、生時にありてもその怨念が人....
西航日録」より 著者:井上円了
広壮なる、庭園の広闊なる、大学をしのぐの勢いあり。余のこの校に至るや、時鐘昼食を報ずるに会し、校長の案内に応じ食堂に入れば、数十の教員と数百の生徒、一同卓を同じ....
古事記」より 著者:太安万侶
御陵の傍の土を少し掘りました」と申しました。天皇の仰せられますには、「父上の仇を報ずるようにと思いますので、かならずあの御陵を悉くこわすべきであるのを、どうして....