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「報償〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

報償の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青木の出京」より 著者:菊池寛
工夜学校の教師をした。が、それは彼の時間のほとんどすべてを奪って、しかもわずかな報償を与えるのに過ぎなかった。彼は、ノートを購《あがな》うにさえ、多くの不自由を....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
を知って、心を暗うした。逆旅《げきりょ》の寝覚めにはかかる頼母《たのも》しからぬ報償をしながら、なお生を貪っていることが、はなはだ腑甲斐ないように思われて、自ら....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のだ。社会はお前を褒めあげて、お前に、お前が心|窃かに恥じねばならぬような過大な報償を贈ってよこす。お前は腹の中で心苦しい苦笑いをしながらも、その過分な報償に報....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
てしまって、嬉々として労役者の生活をして居る者もある。天理教で財産を耗って、其|報償を手あたり次第に徴集し、助けなき婆さんを窘めて店賃をはたる者もある。病気の為....
瓶詰地獄」より 著者:夢野久作
お矜恤下さいませ。 私たちは、こうして私たちの肉体と霊魂を罰せねば、犯した罪の報償が出来ないのです。この離れ島の中で、私たち二人が犯した、それはそれは恐ろしい....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
れなかったなら武士道如きは既くに亡びて了ったであろう。文学を職業たらしむるだけの報償を文人に与えずして三文文学だのチープ・リテレチュアだのと冷罵するのみを能事と....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
に忠実であった。二カ月の間は、私は、それまでになかったほど謹厳な生活を送り、その報償として良心にほめられた。けれどう、時がたつにしたがってとうとう私の恐怖はその....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
れているのを見ると人をごく情深くし柔和にするのであった。それからまた、そこは殺人報償金★の手広い取引でも名高かった。これも祖先伝来の智慧の一断片であって、この下....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
それァ、こちらの知らないことですわ。あたしたちとしては、水上さんから、いくぶんの報償をいただければ、それでおさまると言っているんです」 「この数学は、微積分より....
地上」より 著者:島田清次郎
村人達にはたとえどれ程彼ら自身の生活が貧弱化されても、北野家の富と栄えとは十分な報償であるらしかった。恐ろしいことにはお光達自身――北野家の子孫がこうした村の状....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
〔訳註〕『耕作に対し……足らぬであろう。』は、第二版では、『農業者からその正当な報償を奪うために、穀物の一般価格を低下せしめることなくして、その全余剰を除き去る....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
め込んだただの白紙が四万法だ! まあこれも、ルパン、貴様が人道のために尽した天の報償だよ。……多少思い切った酷い真似もやったさ。だが、こんな奴等は何んでも高圧的....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
近してゆくとともに、伯爵との関係は絶ってきた。この努力は、深い感謝のこもった形で報償される日がきた。新しい暗殺計画――旧教徒の新しい謀叛が発覚して、嫌疑者が逮捕....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
「乞索児」と書いて、「ほかいびと」と読んでおります。今日では乞食と申すと、何らの報償もなく、ただ人の同情に訴え、憐みを求めて食を乞うものをのみ言うようであります....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
を買うというくらいの思想を養成したいと思います。これは多年これを差別排斥していた報償の意味からでも、このくらいのことはあってしかるべしだと思います。かくの如くに....