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「報謝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

報謝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の六部が何者であったかな」養父は稀《まれ》に門辺《かどべ》へ来る六部などへ、厚く報謝をするおりなどに、その頃のことを想出して、お島に語聞《かたりきか》せたが、お....
海異記」より 著者:泉鏡花
薄黒い入道は目を留めて、その挙動を見るともなしに、此方の起居を知ったらしく、今、報謝をしようと嬰児を片手に、掌を差出したのを見も迎えないで、大儀らしく、かッたる....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
装の若衆頭、白い脚半に甲掛草鞋笈摺を肩に掛け、柄杓を持って御詠歌を唄って巡礼に御報謝を…はてな彼の人も一人で流している、私は随分今まで諸方を流して慣れてるから、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
その茄子の鳴くぐらいな処で、御容赦が願いたい。 どこと云って三界宿なし、一泊御報謝に預る気で参ったわけで。なかなか家つきの幽霊、祟、物怪を済度しようなどという....
死者の書」より 著者:折口信夫
めた。飛鳥以来、藤原氏とも関係の深かった寺なり、本尊なのである。あらゆる念願と、報謝の心を籠めたもの、と言うことは察せられる。其一巻が、どう言う訣か、二十年もた....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
とにたしなみのある乞食は、断じて人前へ顔をさらすようなことをしないで、新聞紙上で報謝を乞うべきだ。抽象的な場合ならまだまだ隣人を愛することもできる。遠くからなら....
長者」より 著者:田中貢太郎
の家へ、穢い容をした旅僧が錫杖を鳴らしながら来て手にした鉄鉢をさし出して、 「御報謝を願います」 と云った。庭前で小児の対手になって遊んでいた長者は、之を見る....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
仰向けに胸の息づかい、乳の蔦がくれの膨みを、ひしと菅笠で圧えながら、 「巡礼に御報謝……ね。」 と、切なそうに微笑んだ。 電燈を背後にして、襟のうすぐらい、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
なり奥へ入って、一銭もって出た……(いやとよ、老女)と、最明寺で書いていますが、報謝に預るのではない、ただ路を聞くのだ、と云うと、魂消た気の毒な顔をして、くどく....
雪柳」より 著者:泉鏡花
だ、片手は上下に振っている。ああ、気の毒だと、あたりの知人、客筋、の行きかえりの報謝に活きて、世を終った、手振坊主の次郎庵と、カチン(講釈師の木のうまい処)後に....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
を感謝せずにはいられません。私は父の恵みと、友の好意と私の著書をよんでくれる人の報謝とで暮らしています。「われらの日々の糧を今日もまた与えたまえ」というような感....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
は、こうであった。 貴翰奉拝読候。陳者客歳六月該場開業之|砌、各位御招待申上候御報謝として、華麗之引幕一張御恵賜被成下、御芳志之段|難有奉拝受候。就ては該場現今....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ておくれ」 小「へえ、お修行を上げますよ」 とお捻りを手に渡すと、修行者は手に報謝を受けながら、笠の内から暫く覗いて居りましたが、お捻りを懐に入れて編笠を脱ぎ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ったろうと拝察されます。摂津の四天王寺は、このとき勝利を得られた太子さまが、加護報謝のため、戦の後でお建てなされた寺だと伝えられております。 太子さまの、この....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
叩きが瓢箪を叩いたと同様に、遊行派のものは鉦鼓を打って人の門に立ち、念仏を申して報謝の手の内に生きるのである。この鉦打は鉢叩きの徒と同じく、「興福寺大乗院寺社雑....