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場中
「場中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
場中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
ったから、各自一生懸命仕事をして欲しいと云うのだった。そしてその噂《うわ》さを工
場中に撒《ま》きちらし始めた。 私と須山は、うなった。明らかにその「噂《うわ》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
く、一年に五、六回か四、五回の開場であるから、劇場の出方や茶屋の若い者などは、休
場中に思い思いの内職を稼ぐのが習いで、焼鳥屋、おでん屋、飴屋、※粉屋のたぐいに化....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
から、お由の膚理のこまやかな、何時もねっとりと濡れている様な色艶の美しい肌が、工
場中の評判になってしまった。 「お由さんの体は、まるで白蛇のようね」 その白蛇....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、一人が追い出された。それが度々繰り返された。そのうちに、一人の採用によって、工
場中の支那人が、恐怖と不安に真蒼になることに幹太郎は気がついた。 それは、解雇....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にこの神社の位置に達するためには、藁沓を用意し、その上に「かんじき」をあてて、難
場中の難場と聞こえた国境の加子母峠を越えねばならない。それでも旅人の姿が全く絶え....
「今度こそ」より 著者:片岡鉄兵
ってやった。 三カ月たった。或日―― 「甲吉の野郎がやられた!」という叫びが工
場中に鳴り渡った。あの、誰かが機械にやられた時、俺らの胸がドンと突く、妙に底鳴り....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
抜き身が輝いた。出入り口が固められた。 群集がヒタヒタと逼って来た。 殺気が
場中に充ち充ちた。 予期したことではあったけれど、葉之助の心は動揺した。突嗟に....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
なっていたので、では君のわかる絵はどれだと聞いてみた。友人は各室を歩き廻って、会
場中で一番つまらないと思われる花の絵を指して、これがいいといった。そして彼は剛情....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
私もそれにひきこまれずにはいられなかった。そして私たちは一緒に笑い続けたので、酒
場中が鳴り響いた。 「やれやれ、己も何てやくざな老いぼれ水夫になったものだろう!....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
木やり音頭の行列となる。一族縁者、会葬者がそれにつづく。葬列は庭園をねり、庭の広
場中央につくられたダビ所に到着したのである。 ダビ所は間口二間、奥行三間ほどの....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
様、若様! 私も貴郎と一緒に参ります、遠い遠い海底へ……。 (声細り行くと共に、
場中再び明るくなる。見れば、女子は柩の中の公子を抱き起こし、かかえしままにて気死....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
て、六、七年をどうやらこうやら持ちこたえているという有様であった。そこへ明治座休
場中の左団次一座が乗込んで開演することになったのである。団菊の歿後はなんといって....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
雪渓下部(七、〇五)―雪渓の裂け目(七、三五)―雪渓上部(八、二五)―一枚岩の岩
場中の台地(九、二〇―九、四〇)―水のあるリンネ上の台地(一、〇〇―一、二〇)―....
「感想」より 著者:北大路魯山人
品が人気の中心であった如く評判されている。ピカソのいる陶器村でも志野八寸の如きは
場中第一との賞賛を受けたといわれる。 私からすればフランスの目も甘いものだと思....
「西航日録」より 著者:井上円了
るや実に驚くべし。これを当港名物の第一とす。よって余戯に、 船渠桟上往来繁、博物
場中古版存、此地可驚唯一事、紅毛女子解和言。 (ドックの足場の上は人の往来もしき....