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場外
「場外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
場外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
につれて、だんだん不明暸《ふめいりょう》不確実になってくる。またこの講演が終って
場外に出て涼しい風に吹かれでもすれば、ああ好い心持だという意識に心を専領されてし....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
牧場を出て、谷に下りた。関牧場はこれから北へ寄るので、此れからニオトマムまでは牧
場外を通るのである。善良な顔をした四十余の男と、十四五の男児と各|裸馬に乗って来....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
見ものである。波の音もなかなかよく撮れていて、いつまでも耳に残るような気がした。
場外へ出たときに聞いた電車の音がひどく耳立ってきこえた。 こうした映画を見るの....
「金属人間」より 著者:海野十三
と知ってか知らないでか、その怪人物は席をはなれて、わきたつ見物人たちをかきわけて
場外へ出ようというようすだ。そこで長戸検事は、蜂矢探偵に、 「あそこに、あやしい....
「空襲警報」より 著者:海野十三
走路にそい、戦闘機の前をすりぬけるようにして、爆音勇ましく暗の夜空に飛びだした。
場外に出ると、三機はそれぞれ機首を別々の方向に向けて、互に離れていった。前に出発....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お角はひややかに笑い捨てて、ざっと場内をめぐり歩くうち、ふと、例のところへ来て、
場外を見ると、以前にながめた通り、そこは回向院境内の墓地であります。 お角のな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のような地位に置かれましたが、やがて、椰子の葉蔭から高く月を仰いで、むらむらと、
場外の夜気に打たれてみたくなりますと、地上に楽しむ人も面白いけれども、この大海原....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
席の妻君の面前で、曝露されぬ約束の秘事を曝露され、それを聞いてたけり立ち悶絶して
場外にかつぎ出されるクサンチッペ英太郎君のあとを追うて「せっかく円満になりかけた....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
いに歩いた。 渚は湾をなしていて、その行き止まりが岩の岬で、それを廻ると潮湯治
場外になり、潮湯治
場外の海はわけても荒く、そこで泳ぐ者はめったになかった。我輩は....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
金包みを入れた典膳は、ノッシリと立ち上がったが、礼も云わず、客人を掻き分けると、
場外へ出て行った。 その後を追ったのは、お浦であった。 典膳の運命は ....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
から」 友は又深い瞑想に陥った。 やがて何か思いついた如く、守衛達に一礼して
場外に出た。山下の菊屋で夕食をした後友は神田に行こうと云い出した。私は云うがまま....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
相次いで「中止」、直ちに「検束」を喰らい、警察送り五名に達した。――だが、聴衆は
場外にあふれて、所々に乱闘騒ぎを起した。――市民の同情動く。 (七之助。――伴さ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
月堂の西洋菓子 新富座見物 左団次の渥美五郎――劇場の福草履――島原の芝居――劇
場外の散歩――「勧進帳」 市川団十郎 団十郎の部屋――芝居の改良はこれから――芝....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
ると校長から免職するぞと散々に油を絞られたことを思い出した。だがこれはなんという
場外れな回想なのであろう! 売店のサモワルに火が消えて、くたくたになった美しい....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、ひえびえと、そうして明るく、幾つかの室内は次から次へ見通しに広い。そうしてまた
場外の外光が遠くの遠くに小さく、正方形に白く眩ゆく切り開かれているのだ。 その....