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「場所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

場所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
囲んでいるのは同じ学校の寄宿舎にいた、我々六人の中年者《ちゅうねんもの》である。場所は日比谷《ひびや》の陶陶亭《とうとうてい》の二階、時は六月のある雨の夜、――....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
う趣向のほどは、中々その方づれとも思われぬ風流さじゃ。が、美福門のほとりは、ちと場所がようなかったぞ。ならば糺《ただす》の森あたりの、老木《おいき》の下闇に致し....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
出た。 外はまだ人通りがなかった。二人はそれでも編笠に顔を包んで、兼ねて敵打の場所と定めた祥光院《しょうこういん》の門前へ向った。ところが宿を離れて一二町行く....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
け、プラットフォオムの先へ歩いて行った。そこは線路の二三町先にあの踏切りの見える場所だった。踏切りの両側の人だかりもあらかた今は散じたらしかった。ただ、シグナル....
将軍」より 著者:芥川竜之介
い》が憚《はばか》りへ行きたいと云うものだから、わしたちについて来た学生たちが、場所を探しに行ってくれた所じゃ。」ちょうど今頃、――もう路ばたに毬栗《いがぐり》....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
る自己の備忘録」の中にこう言う言葉を挟んでいる。――「偉大なる画家は名前を入れる場所をちゃんと心得ているものである。又決して同じ所に二度と名前を入れぬものである....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
わたしはやっと俊寛《しゅんかん》様に、めぐり遇《あ》う事が出来ました。しかもその場所は人気《ひとけ》のない海べ、――ただ灰色の浪《なみ》ばかりが、砂の上に寄せて....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
はナイフの切れるのに、大いに敬意を表していた。保吉はまた電燈の明るいのがこう云う場所だけに難有《ありがた》かった。露柴も、――露柴は土地っ子だから、何も珍らしく....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
斎藤さんの御馳走になり、六韜三略の話だの早発性痴呆の話だのをした。御馳走になった場所は外でもない。東京駅前の花月である。それから又斎藤さんと割り合にすいた省線電....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
だったのである! 何を見ても嬉しかった。途ゆく女の姿、街の眺め、自分の棲んでいる場所、――何からなにまで私には嬉しくて堪らなかった。私はまた自分の身につける洋服....
初雪」より 著者:秋田滋
は彼女に猟のはなしをして聞かせた。それが良人の十八番だった。自分が鷓鴣に出あった場所を教えたり、ジョゼフ・ルダンテューの猟場に兎が一匹もいなかったことに驚いてみ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
その傍に持って来たら、急に眩暈を感じた。ハッと意識がついて見ると、自分は前と同じ場所に立ったままで、手もそのままではあったが、ガラス管は飛び散り、ガラスの覆面も....
寡婦」より 著者:秋田滋
見つけられたくありませんので、去年、僕があなたを恋していると申し上げた、庭のあの場所まで来て、うえを見て下さい。 私は気でも狂うかと思いました。取るものも取り....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは世の中でいちばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにいざない、ときたま鶉が鳴....
親ごころ」より 著者:秋田滋
に据えた。 そこで彼は、朝になると、来る日も来る日も、いままで老人の坐っていた場所にやって来て、同じ椅子に腰をかけ、古い石の柱に倚りかかって絶えず背中でそれを....