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堵
「堵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
堵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
論じつつあり。しかれどもコレラも黴菌病《ばいきんびょう》なりしを知り、すこぶる安
堵《あんど》せるもののごとし。
我ら会員は相次いでナポレオン、孔子《こうし》、....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
れはてたように深い眠りに沈んで行った。井伊の陣屋の男女《なんにょ》たちはやっと安
堵《あんど》の思いをした。実際古千屋の男のように太い声に罵《ののし》り立てるのは....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》い。おれは一巻の経文《きょうもん》のほかに、鶴《つる》の前《まえ》でもいれば安
堵《あんど》している。しかし浄海入道《じょうかいにゅうどう》になると、浅学短才の....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
に、とり上《のぼ》せる気色《けしき》もない。宇左衛門は、気づかいながら、幾分か安
堵《あんど》して、その日はそのまま、下って来た。
それから、かれこれ十日ばかり....
「或る女」より 著者:有島武郎
すぐぎょっとしてあたりを見回したが、われに返って自分|一人《ひとり》きりなのに安
堵《あんど》して、いそいそと着物を着かえ始めた。
一一
絵島丸が横浜を抜錨....
「或る女」より 著者:有島武郎
虚無だ。このとおりこの女は生きているではないか……危うく……危うく自分は倉地を安
堵《あんど》させる所だった。そしてこの女を……このまだ生《しょう》のあるこの女を....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
真白になってころげこんで来た時は、家中のものが思わずほっと気息《いき》をついて安
堵《あんど》したが、昼になっても昼過ぎになっても出産の模様が見えないで、産婆や看....
「星座」より 著者:有島武郎
がり寄った。そして声を立ててひた泣きに泣いたのだった。
夢が覚めてよかったと安
堵《あんど》するその下からもっと恐ろしい本物の不吉が、これから襲ってくるのではな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、おとなしく頷いたが、(許す。)の態度で、しかも優しかった。 「ああ。」と、安
堵の溜息を一所にして、教頭は室の真中に、ぼんやりと突立つ。 河野の姿が、横ざま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、目の前の空を高くしきりながら、見る見る悪夢のように遠ざかって行く。 ほっと安
堵の息をつく隙も与えず、後ろを見ればまた紆濤だ。水の山だ。その時、 「あぶねえ」....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
はこの宇宙はいつまでもどこまでも生命ある有機物の住みかであるという観念の中に『安
堵』を感じた。のみならず、彼の考えでは、太陽が永久に消燼してしまうということは円....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
を見廻したが、横手のその窓に並んだ二段に釣った棚があって、火鉢燭台の類、新しい卒
堵婆が二本ばかり。下へ突込んで、鼠の噛った穴から、白い切のはみ出した、中には白骨....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
う処を確めよう、先刻に老番頭と語るのをこの隠れ家で聞いたるごとく、自分の居処を安
堵せんと欲して、立花は手を伸べて、心覚えの隔ての襖に触れて試た。 人の妻と、か....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に、仮装会を催した事があった。その時、墓を出た骸骨を装って、出歯をむきながら、卒
堵婆を杖について、ひょろひょろ、ひょろひょろと行列のあとの暗がりを縫って歩行いて....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と覗きて旧のように被を下ろし、「うむ、この方は何も別条は無い。やれこれで少しは安
堵た。それにしても下枝めはどうして失せた知らん。婆々が裏切をしたのではあるまいか....